ハンドボールの魅力-ディフェンスシステムを見る

・ディフェンスシステムを見る 久保弘毅

ディフェンスシステムが変わると、試合の流れも変わります。また、どういったディフェンスシステムを使い分けているかで、チームの特徴も見えてきます。

ハンドボールはゾーンディフェンスで守ります。なぜならハンドボールはバスケットボールよりもコートが広いので、1対1をマンツーマンで守り切るのが難しいからです。1対1の原則は、スペースが広ければ広いほど攻撃側が有利になります。

だからディフェンス6人をいろんな形に並べて、目の前の選手を「そのまま」マークしたり、隣とマークマンを「スイッチ」(もしくは「チェンジ」)したりしながら守ります。原則として目の前のゾーンにいる選手が、自分の受け持ちになります。この「自分のマークが取れている」状態かどうかを見ていくと、わかりやすいでしょう。

相手が速攻で押してきた時も、まずは個々がマークを取ることから始めます。セットディフェンスの最初の状態では必ずマークが取れているはずです。攻撃側はマークを外したりミスマッチを作ったりするために、ポジションチェンジで揺さぶりをかけます。逆に守る側はマークがずれたり、重なったりしないよう、声を出して隣との連携を図ります。

「そのまま」と「スイッチ」を上手に使い分けて、マークの受け渡しが完璧であれば、理論上は失点することはありません。しかし実際にはサイズのミスマッチができたり、ノーマークの選手を作ってしまったりと言った事態が起こります。また、どのシステムにも必ず弱点があり、変則的なシステムほど、はまった時は鮮やかですが、崩されるリスクも大きいことも知っておきましょう。

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ハンドボールの魅力-点数をコントロールする

・点数をコントロールする 久保弘毅
点差だけでなく、全体の得点数にも注目してください。得点数を見れば、試合のコンセプトも見えてきます。ハンドボールは1試合25点ぐらいが目安になり、20点を切るようだとロースコア、30点を超えるようならハイスコアと言われます。セットオフェンスの「良質な得点」だけだと、25点ぐらいが限度です。上積みをするには、速攻での「シンプルな得点」がどうしても必要になってきます。

たとえば高校の男子で、速攻が得意なチーム同士になると、42-34のようなスコアになりがちです。反対に女子のように守り合いを志向するチーム同士の対戦では14-12のようなロースコアに落ち着きます。速攻で押さずに、セットオフェンスをゆっくりやることで、攻撃回数をわざと減らしているのです。

ハイスコアを志向するチームとロースコアを志向するチームが対戦したら、テンポのコントロールが見どころになってきます。ロースコアにしたいチームは、走りたい相手をじらすかのように、わざとゆっくりボールを運びます。時間をかけてセットオフェンスを組み立てていくうちに、いつの間にか相手の足が止まってしまうのが狙いです。逆にハイスコアにしたいチームは、序盤から速攻、クイックスタートで押しまくり、相手の体力を削りにかかります。「訳がわからないうちに失点が増えていく」状況に相手を追い込むのが、速攻で勝負したいチームの狙いです。

こういったゲームコントロールが巧みなのが、今季の三重バイオレットアイリスです。基本はロースコアで統一しながら、守りでリズムを作りたい相手には速攻を増やして、セットで守る時間を作らせません。櫛田亮介監督がしっかりとゲームをデザインしている印象があります。

櫛田監督
櫛田監督

三重バイオレットアイリス所属 加藤 夕貴選手着用シューズ

三重バイオレットアイリス所属 加藤 夕貴選手着用シューズ

アシックス ゲルファストボール ホワイトディーヴァブルー2014
http://neckar.jp/fs/melis/ASE464Y-0193

◾加藤 夕貴選手 プロフィール
http://www.mie-visc.jp/player_05.html

 

加藤 夕貴 選手
加藤 夕貴 選手

ハンドボールの魅力-得点差を見る

ハンドボールチャンピオンズリーグ 2013/14 バルセロナ対ヴェスプレーム
ハンドボールチャンピオンズリーグ 2013/14 バルセロナ対ヴェスプレーム

ハンドボールを見る

得点差を見る
試合の流れをつかむには、点差に注意して試合を見るといいでしょう。ハンドボールでは昔から「奇数の点差」にすることが、ひとつのセオリーになっています。同点からまず1点差にする。2点差から3点差へ、4点差から5点差へというように、奇数の得点差がひとつの目安だと言われています。経験則から生まれた言葉だと思われますが、実際に試合を見る際にいい基準になります。

接戦になると、だいたい離れても2点差までで試合が推移していきます。ここで3点差をつけたチームが、一歩抜け出したと言っていいでしょう。5点差までくると、相手にも焦りが出てきます。7点差、9点差と来て11点差までなると、相手にも諦めムードが漂います。

このように点差に着目しながら試合を見ていると、勝負どころがわかりやすくなります。「ここでとどめを刺されたら、もう苦しいな」とか「ここで息を吹き返したな」といった分岐点が見えると、ハンドボール観戦が楽しくなってきます。

たとえば後半10分6点リードで、相手が攻撃でミスをしました。ボールを奪ってワンマン速攻。ここで決めておけば、完全に相手の息の根を止められるという場面です。しかしここでシュートを止められてしまうと、その後の展開がややこしくなります。

また前半8-4とリードしている場面でディフェンスが頑張り、相手をパッシブプレー寸前まで追い込みました。ところが相手エースの苦し紛れに打ったシュートが入って、8-5になりました。こうなると楽勝ムードは吹っ飛び、もつれた試合になっていきます。土壇場でエースの得点を許したばかりに、相手を勢いづかせてしまったのです。

試合の分岐点が見えてくると、そこで決めている選手が誰なのかもわかります。大事なところで決めるのは、いつも10点取っているエースとは限りません。4~5点しか取らないけども、大事なところで必ずと言っていいほど得点を決める選手がいるものです。そういう勝負の責任を背負える選手に注目してください。日本リーグなら岸川英誉(大同特殊鋼)、植垣健人(大崎電気)、東濱裕子(オムロン)、横嶋かおる(北國銀行)、勝連智恵(オムロン)が勝負強いと言われています。

久保弘毅

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ドイツより meine Lieblingssachen