melis Japanの島崎(しまさき)です!
僕は中学からハンドボールをはじめて現在は社会人チームでプレーしていますが、大学進学後すぐに社会人チームに入ったため学生リーグでハンドボールをしたことがありませんでした。
さらにコロナウイルスの影響でこれまで無観客だったこともあり、学生リーグを観戦すらしたことがありませんでした。
そして今年初めて観戦した学生リーグ。
高校とは一味違う熱気と激闘に圧倒されてすっかりとりこになってしまいました。
きっかけは仕事だったのですが、今ではお休みの日に観戦に行くほど熱中しています。
おかげさまで有観客のリーグは男女ともに全制覇できました!
どのリーグもどの大学が一位になってもおかしくはないほどに接戦の関東学生リーグがまもなく終了します。
名残惜しいですが、秋リーグまで我慢します。。。
秋はほかの地方のリーグも観戦したいと思い計画中です!
#1 飛田季実子(ソニーセミコンダクタ マニュファクチャリング)
・おりひめのお母さん
田中美音子(大阪ラヴィッツ)と並ぶ、日本ハンドボール界のレジェンド。まず42歳でバリバリの現役なのが驚き。しかも日本代表で今もなお貴重な戦力になっている。ケガのリハビリなどもあって今年は出遅れ、世界選手権のメンバーには当初選ばれていなかった。それでも気持ちを切らすことなく、外国人選手のシュートに「目を慣らしておきたい」と、代表合宿に志願して帯同していた。いくつになっても自分自身を高めようとするベテランに、天も味方する。大会直前に2番手GKの#12板野陽がケガしたため、世界選手権の途中から代表に合流し、最終戦のルーマニア戦でベンチ入り。後半20分からコートに立って、入ってすぐに3連続セーブと大当たりだった。
飛田の凄さは、どんな使われ方をしても即座に結果を残せるところ。先発で使えば、味方が点を取れない時間帯にも、我慢強くシュートを止め続ける。2番手に回れば、ベンチで相手を分析し、入ってすぐにシュートを阻止する。今回のルーマニア戦でも、ちょっとポストにやられだしたかな、というタイミングで入って、最初のポストシュートをピシャリと止めた。仮にメンバー外になっても、最後まで若いGKの練習相手になって、自分が持っている情報を惜しみなく伝える。DFラインを罵倒したことは一度もなく、いつも穏やかに仲間を支える。誰もが「季実さんが後ろにいてくれると安心する」と言うし、彼女のことを悪く言う人はいない。
とても頼りがいのある、おりひめジャパンのお母さんのような存在。ただ、飛田が頑張るほどに、若手が無意識のうちに頼りすぎてしまうとか。だから飛田には申し訳ないけど、代表にはスポット参戦ぐらいがちょうどいい。若手を育てつつ、飛田のような大ベテランがいつでもスタンバイしている――。海外の強豪国はそれが当たり前だし、日本代表のウルリック・キルケリー監督も常に30人ぐらいの代表候補をイメージしながらチームを作ってきた。飛田はおりひめに欠かせない重要なピースのひとつ。来年の東京五輪でも、パッと出てきて大活躍してくれるだろう。GKは息の長いポジション。経験値がものを言う。
久保弘毅
#11 堀川真奈(イズミメイプルレッズ)
・鉄壁のディフェンス
キャプテンの#24原希美が大会直前にヒザのケガで戦列を離れた。左バック(LB)の一番手で、DFの要でもある原の離脱は痛い。原クラスの得点力のある選手は、国内では川村杏奈(ソニーセミコンダクタ)ぐらいしか残っていない。それよりも真ん中のDFを補うために、堀川が追加で代表に選ばれた。
代表での実績は乏しいが、国内では有数のディフェンダー。イズミでは角屋里帆とともに3枚目を守る。イズミ(昨年度までの広島)が昨季レギュラーシーズンで2位になれたのは、堀川を含めた「鉄壁の4人」とGK板野陽がいたから。大きくても動けて力強い選手。代表でもDF要員、3枚目のバックアップでの期待がかかる。
代表レベルだと「当落線上の選手」だが、見方を変えれば「運が強い選手」とも言える。昨年のアジア選手権では、大会当初はメンバー外だったものの、#2永田美香のケガでベンチ入りのチャンスをつかみ、決勝の韓国戦ではいいプレーを見せた。その後はちょっとケガ続きで精彩を欠いたが、1年後にちゃっかり代表に戻ってきた。タイプ的には四天王寺高の後輩・永田(美)とかぶる。同じ大きくて走れるなら、若くてよりサイズのある永田(美)の方が有利かもしれない。しかし消耗しやすいポジションだけに、いつチャンスが巡ってくるか分からない。備えあれば憂いなし。大会中にいつの間にかベンチ入りして、ひっそりと活躍する可能性は大いにありうる。
ベンチ入りしたら、まずはDFで主力の休憩時間を作る。ついでに速攻を1本決めてくれたら、言うことなし。四天王寺高仕込みの脚力で、熊本を沸かせてほしい。日本代表でメイプルの仲間を求めていたGK板野との相乗効果にも期待。
久保弘毅
#81 石立真悠子(三重バイオレットアイリス)
・経験豊富な司令塔
1対1という強烈な武器があり、なおかつゲームの起承転結を描ける頭脳の持ち主。「勝利のシナリオ」を書かせたら国内最高のゲームメイカーが、女子日本代表に復帰した。2015年のリオ五輪予選でベンチ入りした田中美音子(大阪)のような「レジェンド枠」で、若いメンバーを後方支援する。
かつては正センター(CB)で、試合の流れを作っていた。今回求められるのは、途中出場で流れを変える役目。賢い選手だから、自分の役目を理解して、コート上で表現してくれるだろう。理にかなったセットOFでプラス1(1人余った状況)を作り出す。ルーズボールに飛びついて、チームの士気を高める。小松市立高仕込みの1対1では、頭の重さを利用して切り返し、古武術のような動きで相手の横をすり抜ける。周りを生かす「攻撃のストーリー」を持ちながら、個で勝負できる「一芸」も兼備する。こういうベテランが短時間で仕事をする国は強い。
栗山雅倫前監督時代は「OFに専念させる」使い方が多かったが、攻守両方で使った方が動きにリズムが出る。2枚目DFに入り、豊富な運動量で仕掛けていけるのが強みであり、DFで足が動くと、OFも乗ってくる。ウルリック・キルケリー監督は「センターは左の1枚目に入れる」を基本フォーマットにしているが、世界選手権では石立をどこに置くか。ヒザのケガの回復具合にもよるが、2枚目で動く石立を見てみたいし、その方が石立の良さが引き出されるし、チームにも勢いが出ると思われる。
理路整然とした話ぶりで、ミックスゾーンでは人気者。コメントがそのまま使えて、ゲームの流れが良くわかるから、本当にありがたい。判定に対してもネガティブな感情をぶつけることなく、意味深な笑顔で揺さぶりをかける。すべてにおいて「駆け引き」をわかっているベテラン。世界の一流選手と同様、美しさと泥臭さとしたたかさで、ハンドボールファンを魅了する。
久保弘毅
#41 河田知美(北國銀行)
・魅惑の僧帽筋
小柄で、筋骨隆々というタイプではないが、見事なまでに僧帽筋が発達している。肩甲骨周りも柔らかい。まさに「投げるために生まれてきた」ような体つき。ほどよく後ろに入るテークバックは、野球の好投手のよう。大きいハンドボールを、小さなボールを投げるかのように扱える。とにかく投げる姿が美しいので、河田のシュートモーションはお金を払って見る価値がある。
160㎝しかないのに、ロングシュートを決め切れる技術の持ち主。十八番は「落ち際のロング」。最高到達点から少し落ちてきたタイミングでロングを放つ。DFの手が下がりだすタイミングでシュートコースを見つけて、正確に打ち分ける技術がある。「1人時間差」とも言うべき、空中での妙技に注目を。国内でも小柄な部類に入るので、7mスローではラインより少し後ろに立って、シュートコースを確保する。こういう細かいところの「もうひと手間」を惜しまないところが、小さくても世界で戦える秘訣だという。
守れる左サイド(LW)との併用が前提になるが、左バック(LB)ではポストパスも含めた多彩な技を見せてくれる。左サイドのバックアップもできるし、元々はシューターだが短時間ならセンター(CB)もできる。7人攻撃の理解度が高く、数的優位を利用するのも上手い。世界レベルだとサイズ不足に苦労する場面もあるが、アジアレベルなら巧さを存分に発揮してくれる。攻撃のオプションを増やすための、貴重なバックアップ要員である。
クールで理知的なプレースタイルと、コート外では全力で笑いを取りにいくギャップが魅力。一生懸命な割には、仲間から「すべり芸」と言われているのが少々不憫。「巧い!」だけでなく「面白い!」のひと言が、河田を勇気づける。会場のみなさんもぜひ、彼女に「面白い!」のひと言を。親友でムードメイカーの#9横嶋彩がいない分も、盛り上げ役で頑張ってほしい。
久保弘毅
ドイツより meine Lieblingssachen