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チームの見どころ 【トヨタ自動車東日本】昨年度男子7位

チームの見どころ

【トヨタ自動車東日本】昨年度男子7位

【チームの戦い】
 神奈川県の相模原市にあったセントラル自動車が、宮城県への移転を機にトヨタ自動車東日本となり、日本リーグに参戦。元日本代表主将の中川善雄監督のもと、着実にステップアップし、リーグ加盟4年目の2015年度(第40回)には初のプレーオフ進出を果たした。昨シーズン(第41回)は故障者続出で7位と後退したものの、今シーズンはアグレッシブなDFを武器に、上位と互角の戦いを続けている。

【予想布陣】
LW:河内(桑名)
LB:濵口(上野、郷古)
CB:玉井(川端)
RB:川端(堤、山田)
RW:吉田(﨑前、川端)
PV:遠山(上野、野間、楳木)
GK:関口(西出)

6:0DF(フローDF)

かつては松本をトップに据えた3:2:1DFが強力な武器だった。しかし松本が故障で長期離脱していることもあり、現在は仕掛ける6:0DF(中川監督は「フローDF」と呼んでいる)をメインに戦う。日本女子代表のオープンDFほど極端に上下を分けないが、状況に応じて真ん中の上野が浮くなど、アグレッシブな仕掛けでパスカットを狙う。OFの人だった濵口、上野が真ん中で通用しているのは、中川監督の我慢強い指導の賜物。河内はパスカットの嗅覚が素晴らしく、GK関口はシュート阻止だけでなく、スローイングも年々上達している。
攻撃では左腕・山田の状態があまりよくない中、もう1人の左利き・堤が急成長。学生時代の自信を取り戻した。エース兼司令塔の玉井が切れ込み、大砲の濱口がロングを打ち込み、吉田が淡々と右サイドからシュート決めれば、東日本のペース。故障者だらけだったポストに遠山と野間が戻り、今年は戦えている。

【人事往来】
IN
楳木(筑波大)
西出(日本体育大)

OUT
永瀬(引退)

 一度に多くの選手を獲れないため、選手層がやや薄い。関口が円熟してきたタイミングで、次世代のGK西出を獲得。故障者だらけだったポストにサイズのある楳木と、的確な補強はしているが、今シーズンから3回戦総当たりになったことを考えると、少々心もとない。年間を乗り切るために、選手枠をもう2~3人増やせたら、再びプレーオフに出場できる可能性も高まるのだが…。

【指揮官】
中川善雄監督
 中央大時代から名キャプテンの呼び声高く、日本代表でもキャプテンを務めた。三陽商会、大崎電気で現役を続けたのち、理論と統率力を買われて、トヨタ自動車東日本で監督業をスタート。世界に通用する選手、チームを育てるべく、段階を追って丁寧にチーム作りをしている。OF型の選手ばかりだったチームを、ここまで守れるように育てた手腕は、もっと評価されていい。

【キープレーヤー】

堤由貴
 洛北高、明治大と、名の売れた左利き。高校の段階では「将来は右サイドで日の丸を背負う選手」と見られていたが、今もバックプレーヤーで得点力を発揮している。
東日本に入って3年目の今シーズンは、山田隼也の不調を補う活躍を見せている。アウトスペースに鋭く切れ込み、DFとかぶりながら横からミドルを打つなど、自分の強みを明確に示せるようになった。学生時代は「お山の大将」なところが見られたが、精神的にも成長が感じられる。あまり得意ではないDFでも、ハードワークする意欲が出てきた。  
堤の得点と出場時間が増えれば、チームも上を目指せる。山田が戻ってきた時の棲み分けにも注目。

【この技を見よ!】


吉田翔太のシュート精度
地味だけど、いつも淡々とシュートを決める。スペシャルな武器はなさそうだけど、どんなシュートもそつなく決める。あまり話題にのぼらないが、チームにとって絶対欠かせない選手。いい意味で余計なことをしない、生粋のフィニッシャーと言えるだろう。シュート率7割を期待できる、正真正銘の右サイドのスペシャリスト。故障が続く左サイド・松本雅史が戻れば、両翼の決定力はリーグトップクラスになる。

久保弘毅

ハンドボールからうまれた繋がり

こんにちは。 アルバイトの関口です!

今年も残すところ一カ月となりました。 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
私は先日、秋季ミニミニカップの観戦に行ってきました。
そこで、見覚えのある選手が・・・ 声をかけて見ると、
中学校が同じだった選手で地元の話にが咲きました。
そして、その選手が履いていたシューズが

ケンパ フライ ハイ ウィング ライト シルバー ブルー 2016 でした。
私が働かせていただく前にちょうどご来店いただいていたみたいです。
ここでもまた繋がりが!! とても嬉しかったです。
他の選手ともシューズについてのお話をたくさんしてきました。
皆さんやっぱり新しいシューズやウエアを身に着けると
モチベーションが上がるみたいですね!!
私はそんな風にもっとたくさんの方に競技を楽しんでいただけるように、
お手伝いができたらなと思いました。

チームの見どころ 【HC名古屋】昨年度女子6位

チームの見どころ

【HC名古屋】昨年度女子6位

【チームの戦い】
 昨シーズンは早々に連敗を止めると、3勝をあげて、新井ヘッドコーチ就任1年目で「最下位脱出」の公約を達成した。チームの雰囲気が劇的によくなり、選手の表情も明るくなった。昔からハンドボールスクールの指導など、地元に根差した活動を続けてきたチーム。勝つことで全員が報われ、好循環に乗りつつある。昨年で培われた一体感をベースに、今年は覇気を前面に押し出し、本気でプレーオフ初出場を目指す。

【予想布陣】
LW:安齋(木村)
LB:福井(丸山、綿引)
CB:笠原(多田)
RB:髙宮(水谷)
RW:水谷(馬場)
PV:吉田(竹内、中屋敷)
GK:瀧澤(白築)

6:0DFと5:1DF

 待望のゲームメイカー・笠原の加入で、チーム力が飛躍的に向上した。ここ10年ほど泣き所だったポジションに本格的なセンターが加入したことで、攻撃の意図が明確になった。とはいえ、笠原もたまに熱くなるので、今年は冷静な髙宮を右バックにして、判断力の部分を肩代わりさせている。
 DFでは水谷がチームの柱。昨シーズン終盤は水谷の負傷欠場から失速してしまった。水谷が年間通して健康であることが、上位進出の最低条件。竹内がケガから復帰すれば、5:1DFのオプションも使える。GKは遅咲きの瀧澤が27歳になってから正GKの座を獲得した。周りへの声かけ、スローイングなど、今年は捕ること以外の成長が著しい。

【人事往来】
IN
綿引(東京女子体育大)
飯島(東北福祉大)
多田(武庫川女子大)
白築(桐蔭横浜大)
OUT
戸塚(引退)
 かつての正GKで、新井体制の1年目にキャプテンを務めた戸塚が引退。キャプテンを降りると、チームに残らずに引退してしまうのが、HC名古屋の悪しき伝統でもある。キャプテンが燃え尽きてしまわないよう、チーム全体でサポートしてほしい。ちなみに今年のキャプテンはエースの福井。
 新人では経験豊富な司令塔の多田に期待がかかる。綿引はロングヒッターだが、女子球界有数のフィジカルを活かして、ポストでも起用される予定。

【指揮官】
新井翔太ヘッドコーチ
 愛知高、中京大を経て、ドイツ留学ののちにHC名古屋で指導者になった生粋の名古屋人。若くして、ハンドボールの本質をよく理解している。戦術理解の徹底だけでなく、チームのあり方、選手の立ち居振る舞いなど、細かい部分にも目を配り、万年最下位のチームを立て直した。就任2年目の今シーズンの公約は「プレーオフ出場」。いい戦いだけでは満足しない若き指揮官のもと、チームは大きく変わりつつある。

【キープレーヤー】
髙宮咲

髙宮咲
髙宮咲

 チームが強くなる時に、必ず求心力となる選手が出てくる。HC名古屋の場合は、髙宮が求心力となっている。髙宮を慕って、大阪教育大の後輩・笠原もHC名古屋を選んだという。先輩たちからの信頼も厚く、先頭に立ってチームの改革に取り組んでいる。こまめな情報発信からも、「HC名古屋をよくしていきたい」思いが感じられる。
 コート上でも攻撃の中心で、冷静に全体を見て判断できる。新井ヘッド曰く「センターではないけど、チームで一番センターらしい感覚を持った選手」。今シーズンは本職の右サイドではなく、右バックでの出場機会が増えているのも、髙宮の判断力に新井ヘッドが期待しているから。右バックを主戦場にするなら、インへ移動してのミドルだけでなく、アウトを割るプレーを増やしていきたい。

【この技を見よ!】
丸山紀子のシュート力

丸山紀子
丸山紀子

桐蔭横浜大時代はサイドシューターだったが、地肩の強さと運動能力を買われて、HC名古屋ではバックプレーヤーになった。不慣れなポジションに戸惑う日々が続いていたが、新井ヘッドに教わってコツをつかみ、男子顔負けの運動能力がシュートに反映されるようになった。豪快なミドルシュートに、新井ヘッド直伝のステップシュートが決まるようになり、「やっとハンドボールが楽しくなりました」。男子のような迫力のあるプレーで、チームに勢いをもたらす。ベンチからの得点源として貴重な存在。
コート外ではいい意味でのお調子者で、男子中学生のようなキャラクター。最近はハンドボールが上達し、「男子高校生にレベルアップしました」とのこと。

久保弘毅

チームの見どころ 【琉球コラソン】昨年度男子6位

チームの見どころ

【琉球コラソン】昨年度男子6位

【チームの戦い】
 長年司令塔を務めた水野裕紀が昨年から兼任監督になり、若返りに取り組んでいる。よくも悪くも、人の入れ替わりが激しいのがチームカラーで、今シーズンは大砲の趙顯章が移籍した。水野監督、村山、石田ら2008年リーグ加盟当初の一期生もベテランになり、次世代を担う生え抜きの育成が引き続きテーマになってくる。

【予想布陣】
LW:牧山(仲程、三村)
LB:石川(村山、棚原)
CB:村山(赤塚、水野、又吉)
RB:福田(村山、大和田)
RW:名嘉(浅井、中村)
PV:松信(伊計、連)
GK:内田(石田、田村)

6:0DF

 新人の仲程、浅井は決定力のある両サイドだが、まだDFに不安が残る。ベンチに近い側の時のみ出場して、DFでは牧山、名嘉が2枚目に入り、バランスを整えている。松信以外に真ん中を守れる人材がほしいところに、伊計が去年から台頭してきた。ここに大和田がもう1枚加われば、ローテーションが楽になる。以前にも増してOF型の選手が増えたため、かつてのコラソンの代名詞だった3:3DFは封印されている。
 攻撃陣ではバックプレーヤーの層の薄さが深刻。上手い選手は多いが、絶対的な決め手に欠ける。赤塚を左サイドに回せるくらいの余裕が出てくれば、四強に食い込めるのだが…。人手不足に悩んでいたタイミングで、元エース・棚原の復帰は朗報。

【人事往来】
IN
浅井(中京大)
仲程(東海大―デンマーク)
中川(朝日大)
東長濱(アドバイザーで復帰)
棚原(復帰)

OUT
趙顯章(豊田合成)

 左の大砲で、1年かけてチームになじませてきた趙が移籍した。真ん中を守れて、ロングが打てる趙の穴はとてつもなく大きい。台湾ルートで、趙に続く掘り出し物を補強できれば面白いが、若手を起用することも大事。新人では仲程、浅井の両サイドの決定力は、リーグでも通用している。
 チームの頭脳だった東長濱秀作が、今年からアドバイザーで復帰したのは嬉しいニュース。水野監督がコートに立った時に、ベンチワークを任せられる。また海外挑戦で宙に浮いていた棚原が復帰したのは大きい(10月21日の豊田合成戦から出場可能)。2年前はOFでの暴走が目立った棚原だが、東長濱アドバイザーなら棚原を制御できる。

【指揮官】
水野裕紀監督
 長年チームを率いてきた東長濱秀吉監督(東長濱秀作アドバイザーの父)に代わり、昨年から兼任で指揮を執る。選手との年齢も近く、毎日の練習をしっかりと見ることで、若手のモチベーションを高めてきた。チーム全体にハードワークを落とし込んでいるのも好印象。監督業が主とはいえ、スムーズなボール回しは健在。むしろ兼任になってからの方が、短時間で攻撃を立て直せているようにも見える。一時期ほど7人攻撃を使わなくなったが、勝負どころでは7人攻撃を仕掛けてくる。

【キープレーヤー】
福田丈

 右サイドのレギュラーだったが、趙が抜けた今年から右バックになった。元々が中部大インカレ優勝時の右バックで、本来のポジションに戻って「プレーしやすい」と喜んでいる。持ち味は視野の広いプレー。趙のようなロングの迫力は求められないが、コート全体が見えていて、正確にパスを配れる。シュートのバリエーションも豊富で、苦しい場面でのステップシュートはチームを救う武器になる。これまでの2年間とは異なる福田の魅力が、今年は見られるだろう。

【この技を見よ!】
・石川出のハードワーク

石川出
石川出

 大崎電気の時はスポットでしかコートに立てず、苦しんでいた。昨シーズンにコラソンに移籍してからは出場時間が増えて、攻守によさが出るようになった。自分のアピールだけにこだわるよりも、常にチームのことを考えてプレーした方が、石川の「らしさ」が出る。攻撃では常に前を狙いながら、周りを活かせる。守ってはハードワークで、味方を助ける。昨シーズンは特に、「DFでここまで身体を張るか!」というくらい、献身的なプレーが印象的だった。
打てて、守れて、勝負強くて、リーダーシップも発揮できる日体大時代のよさが、ようやく日本リーグでも見られるようになった。今年もフォア・ザ・チームのプレーでコラソンをリードしてくれるに違いない。年間通してチームの中心に置いておきたい選手なので、ケガには気をつけて。

久保弘毅

ハンドボール ブンデスリーガ 外国人選手について

ドイツの週刊ハンドボール雑誌「Handball Woche」の最新号に興味深い特集が組まれていました。

1部リーグに所属している329名のプレーヤー中、4割の145名が外国人選手です。人数が一番多いのはスウェーデンで27名もプレーしています。

1:スウェーデン 27名
2:デンマーク 21名
3:クロアチア 14名
4:ノルウェー 9名
5:スロヴェニア 8名
6:セルビア 7名
7:オランダ 6名
8:アイスランド 6名

珍しい国の出身だと、チリから1名、Erwin Feuchtmann(VfL Gummersbach所属)がいます。彼は代官山のお店にたまたま立ち寄ってくれました。彼の祖父がドイツ人で1930年代にドイツのマンハイムからチリに移住したそうです。

Erwin Feuchtmann
Erwin Feuchtmann

チーム別で見ると外国人が一番多いのはフレンスブルクで、18名のうちドイツ人は3名のみです。デンマーク人が7名、スウェーデン人が5名、ノルウェー人が2名です。キールは21名中11名がドイツ人です。

地ビール店でハンドボール話

・こんにちは、スタッフの星野です。先日、お取引先の方々とすてきな地ビールのお店で飲みました。普段はお仕事で少しお話しする程度だったのですが、 ひょんなことから地元が近いということが分かり、みなさんと私の上司の5人でワイワイ楽しい時間を過ごしました。 同じ世代、環境で育ってきたからかやっぱり話も合いますね。
 
 そこで、お取引先の一人の方が学生時代、ハンドボール部だった話になりました。県内でも有数の強豪校で練習も相当辛く厳しかったそうです。私たちの時代は、体罰的な指導は当たり前だったところもあるので、彼も相当顧問の先生にしごかれたとのこと。でもその経験がその後の人生に大きく影響し、何にでもチャレンジする姿勢、打たれ強さが身につき今の自分を作り上げた。その先生とは今でも同窓会などでお会いしていて感謝している、と話しておられました。みなそれぞれ色々な部活の思い出があると思いますが、良い話を聞けたなぁと思います。
 
 また彼はハンドボールを本当に一生懸命練習しそれなりに強い選手だったそうですが、 プロのハンドボール選手になるのは野球やサッカーよりも狭き門で諦めたということも聞きました。時代はどんどん進んでいるのでこれからハンドボールがもっと日本で認知され、 宮崎大輔さんのようなプレーをする選手が沢山出てきたら、ハンドボールのプロリーグも夢じゃないですよね。子供たちが憧れるスポーツになり、もっと世間に認知され、ハンドボールを目指す人が増えるといいなと願うばかりです。
 
 詳しい数値や現状などを把握できていませんが、プロ野球など私たち親世代の時と比べると競技人口が減ったり、TV中継の視聴率が低迷したりと衰退の話題が出ますが、それだけ様々なスポーツができるようになって分散したとも言えると思います。ハンドボール含め、どのスポーツでもオリンピック選手やプロを目指せるような環境が世界中にできればいいですね。きっとそういうことが戦争をなくしたり平和への道につながるんじゃないかなぁとちょっと壮大な話になってしまいますが思ったりしている今日この頃です。

チームの見どころ 【三重バイオレットアイリス】昨年度女子4位

チームの見どころ

【三重バイオレットアイリス】昨年度女子4位

【チームの戦い】
 昨シーズンはリーグ加盟11年目で初のプレーオフ進出を果たした。これまで顔ぶれが決まっていた女子の四強に食い込んだ功績はとてつもなく大きい。櫛田監督がチームの青写真をしっかりと描き、梶原ビジネスマネージャーが地域とのつながりを作り、高井プロモーションマネージャーが写真と動画でチームの魅力を伝える――この3つの柱が機能したことで、三重の選手の意識が飛躍的に高まり、リーグ屈指の人気チームになった。「クラブチームのあり方」を追求する三重の存在は、企業チームにとってもお手本になる部分は多い。

【予想布陣】
LW:河嶋(近藤)
LB:原(多田、中田)
CB:加藤(林)
RB:多田(万谷、森本)
RW:島居(佐野)
PV:近藤(原、森本)
GK:高木(花村)

6:0DFと5:1DF

 原と万谷が真ん中を守り、GKの花村との3人で試合を落ち着かせて、途中から爆発力のあるGK高木(旧姓山根)を投入して一気に突き放す。昨シーズンはこのフォーマットが上手く機能した。大当たりはないが、いつもほどほどに当たる花村と、局地的な爆発力のある高木の使い分けが、60分トータルで試合を作るギアチェンジの役割を果たした。今年は精神的な成長が見られる新婚の高木を先発GKに据えて、スタートダッシュを狙う。
 課題は右サイドとポスト。特にポストは絶対的な選手がいないので、原の強さ、近藤の動き、左腕・森本の意外性を使い分けながら、バックプレーヤーを4人配置するような戦い方になるだろう。

【人事往来】
IN
林(桐蔭横浜大)
中田(福岡大)
島居(武庫川女子大)
水谷(茨城大)
OUT
伊藤(練習生に)
角南(ソニーへ移籍)
池原(デンマークに移籍)

 チームで一番のフィニッシャーだった池原、攻撃を組み立てるポイントになっていた角南、この2人が抜けたのは痛い。代表クラスの右サイドとポストの穴をどうやって埋めるかが、新しいシーズンの課題になる。
 櫛田監督が「4人とも大当たり」と言う新人は、早い段階で戦力になっている。林は桐蔭横浜大を初のインカレ3位に導いたゲームメイカー。ポストとの2対2だけでなく、スペースを作る動きが上手い。中田はDF力とリーダーシップがあり、真ん中だけでなくトップDFでも使える。島居は高低を使い分けるサイドシュートが魅力で、何年もチームにいるような落ち着きがある。水谷はケガで出遅れたが、肉体派の左利きで期待は大きい。

【指揮官】
櫛田亮介監督
 日本の女子球界を変えるであろう指導者。ドイツでプレーした経験に、大ケガを乗り越えて北陸電力で社外選手としてプレーを続けた経験など、自分自身をマネジメントしてきた蓄積が、今のチーム運営に生きている。まっとうなビジネス感覚を持ち、目の前の結果に振り回されず、やるべきことを積み重ねていける監督。理不尽さのないベンチワークも、見ていて気持ちいい。

【キープレーヤー】
森本方乃香

森本方乃香
森本方乃香

 ゴリゴリカットインを得意とする肉体派ユニット「ゴリゴリシスターズ(通称GGS)」の一員。2年目の今年はポスト挑戦を志願して、5月の社会人選手権ではスペースに走り込むなど、気の利いたプレーでチームを盛り上げた。ポストの動きを勉強することで、本来のバックプレーヤーでの動きもよくなってきたとのこと。攻撃の「表と裏」が見えてきたサウスポーのこれからが楽しみ。多田仁美とのGGSでの活動にも期待。

【この技を見よ!】
・原希美の笑顔

原希美
原希美

 チームでも日本代表でもキャプテンの頑張り屋さん。苦しい時でも歯を食いしばって、勝利のために体を張れるのが、原の最大の長所である反面、1人で頑張りすぎるところもあった。ところがここ1年くらいで、いい意味で肩の力が抜けてきた。すべてを自分だけで背負い込むのではなく、仲間の力を借りながら、試合の節目でいい仕事をするようになった。コート上での笑顔が増え、肩の力が抜けたことで、プレーの幅も広がった。1試合に15本ぐらいシュートを打っていた「私が引っ張る」時代よりも、「仲間と頑張る意味」を理解した今の原の方が、チームにより多くのプラスをもたらしている。苦しい場面でも「私の顔を見て」と言えるリーダーがいるチームは強い。

チームの見どころ 【オムロン】昨年度女子3位

チームの見どころ

【オムロン】昨年度女子3位

【チームの戦い】
 昨シーズンのハイライトは日本選手権だった。東濱が攻守にチームを背負い、ポストの永田もライン際で仕事をして、決勝では延長の末に北國銀行を下している。しかし年明けからは永田のコンディション低下もあり、勢いは続かなかった。地元・熊本開催のプレーオフでは準決勝で広島に敗れるなど、不完全燃焼でシーズンを終えた。攻守に東濱への依存度が高すぎる今のチーム状況を、どこまで改善できるか。

【予想布陣】
LW:勝連(松本)
LB:吉田(小舘)
CB:東濱(末吉)
RB:松尾(石井)
RW:相澤(尾崎)
PV:永田(川俣、山下、福井)
GK:宮川(白石)

6:0DF

 昨シーズンスランプに陥っていた勝連が復調の兆しを見せている。東濱と永田が体調万全で、勝連がいつもの勝負強さを発揮できれば、何とか戦える。エースの吉田は好不調の波が激しく、走り込んでボールをもらえなくなると、とたんに手詰まりになる。吉田、松尾、石井のレベルアップがなければ、今年も苦しい。
GKは宮川が地道に成長しているのがプラス材料。学生時代から期待されていた白石が伸び悩んでいるのが誤算か。GKは使わないと成長しないので、宮川、白石の起用法もポイントになりそう。

【人事往来】
IN
尾崎(東京女子体育大)
西尾(天理大)
野中(明光学園)
OUT
山中(引退)
澤田(引退)
小林(引退)
上地(引退)

 右サイドの澤田の代わりに相澤、DF要員の小林の代わりに小舘、先発GKの山中の代わりに宮川が入る予定。黄慶泳ヘッドコーチは「今年は相澤、小舘、宮川を一人前に育てる年」と位置づけている。主力の穴を埋めるというよりは、むしろスケールアップと言っていいだろう。長い下積みを経験してきた3人の開花を期待したい。
 強かった頃は毎年のように学生球界のトップ級を獲得していたが、今年の新人補強は控えめ。左利きの尾崎が、右サイドのバックアップで出番をもらえるか。

【指揮官】
黄慶泳(ファン・キョンヨン)ヘッドコーチ
 日本代表監督も務めたことのある黄さんは、オムロン以外の選手、監督からも愛される人格者。韓国から日本に移り住み、日本のハンドボールの強化を誰よりも真剣に考えている。ちょっぴり不器用そうでも、全身全霊で思いを伝えようとするし、見た目以上に女心をわかっている。以前は主力メンバー固定の戦いを好んでいたが、近年は選手交代にチャレンジするなど、常に謙虚で向上心を忘れない。

【キープレーヤー】
相澤莉乃

相澤莉乃
相澤莉乃

 オムロンは伝統的に下積みが長い。高卒の選手が6年ぐらいの下積みを経て、主力選手に成長する。相澤は大卒でシュート力はあったが、DF面で評価の高かった澤田がいたため、入社してからの5年間、スタメンで出る機会に恵まれなかった。ようやくレギュラーの座をつかんだ今シーズン、どれだけのインパクトを残せるか。速攻ではスピードがあり、縦振りのフォームから歯切れのいいシュートを打ち込む。高低の揺さぶりができて、途中出場で培った勝負度胸もある。あとは不用意な退場をなくすこと。相澤が長くコートに立ち、右サイドで得点を量産することが、チームの勝利につながる。

【この技を見よ!】
・東濱裕子の孤軍奮闘

東濱裕子
東濱裕子

 やはり東濱がいるだけで、チームの雰囲気が違ってくる。DFでは永田と組んで真ん中を守り、OFではセンターでパスを配りつつ、大事なところは自分で打ってくる。ロングシュートとポストパスを基本線に、パッシブプレー寸前でも多彩なステップシュートで得点できる。攻守すべてにおいて、オムロンの最後の砦は東濱である。ただし試合前半から難しいシュートを打ちだしたり、ポストパスに優しさがなくなってきたら要注意。シンプルな攻撃ができていない兆候とも言える。攻守に負担が大きすぎるので、東濱の負担を肩代わりできる若手が1人でも出てきてくれたら。

久保弘毅

ハンドボールのサイズ

・こんにちは、スタッフの榎本です。私は先日、ハンドボールのボールを目にする機会がありました。私は学生時代も今も、スポーツとは縁遠く(勝手に自分で縁遠くしているところも多大にありますが。苦笑)ハンドボールのボールはもちろん他のスポーツ用品にも詳しくありません。そんな私ですから、ボールの大きさに種類があることを先日はじめて知りました!野球やテニスには軟式と硬式があり、ボールの素材が違うことがあるということくらいは知っていたのですが、驚きでした。
 
 ハンドボールのボールはmoltenの規格では小学生低学年から使える0号から成人男性が使う3号まで4種類あるんですね。大きさは3号で直径19cmと思っていたより小さいんだなと感じました。
 
 そしてボールの色にもいろいろあって面白いです。黄色や青系が多いようですがどれも目立ちますしお洒落だなと思いました。ハンドボールはやらないけど、家のインテリアとして飾ったらかわいいな、とも思ってしまいました。

メリス契約選手 大崎電気#24 信太弘樹

信太弘樹
信太弘樹

Melisがサプライヤー契約を結んだ3選手を紹介します。

大崎電気#24 信太弘樹
藤代紫水高―日本体育大 27歳 188cm 85kg 右利き 左バック・センター
■どんな選手?/日本のエース。学生時代から「将来の日本代表を背負って立つ逸材」と言われていた。足踏みした時期もあったが、体調が万全になった昨年あたりから本来の「エースらしさ」が戻ってきた。周りが見えているし、打つべき時に無理なく打ち込める。

■観賞ポイント/やはりボールをもらう前の動き。オフ・ザ・ボールで無理なく動いて、DFの間から理にかなったシュートを放つ。難しいプレーをさらりとこなすイメージが強いが、好調な時ほどシンプルかつ力強い。

■活躍の場/今年1月の世界選手権で活躍したが、「まだまだ試合ごとに調子の波があった」と気を引き締める。これからが最盛期。より高い次元での安定感を求めていく。

久保弘毅