チームの見どころ 【琉球コラソン】昨年度男子6位

チームの見どころ

【琉球コラソン】昨年度男子6位

【チームの戦い】
 長年司令塔を務めた水野裕紀が昨年から兼任監督になり、若返りに取り組んでいる。よくも悪くも、人の入れ替わりが激しいのがチームカラーで、今シーズンは大砲の趙顯章が移籍した。水野監督、村山、石田ら2008年リーグ加盟当初の一期生もベテランになり、次世代を担う生え抜きの育成が引き続きテーマになってくる。

【予想布陣】
LW:牧山(仲程、三村)
LB:石川(村山、棚原)
CB:村山(赤塚、水野、又吉)
RB:福田(村山、大和田)
RW:名嘉(浅井、中村)
PV:松信(伊計、連)
GK:内田(石田、田村)

6:0DF

 新人の仲程、浅井は決定力のある両サイドだが、まだDFに不安が残る。ベンチに近い側の時のみ出場して、DFでは牧山、名嘉が2枚目に入り、バランスを整えている。松信以外に真ん中を守れる人材がほしいところに、伊計が去年から台頭してきた。ここに大和田がもう1枚加われば、ローテーションが楽になる。以前にも増してOF型の選手が増えたため、かつてのコラソンの代名詞だった3:3DFは封印されている。
 攻撃陣ではバックプレーヤーの層の薄さが深刻。上手い選手は多いが、絶対的な決め手に欠ける。赤塚を左サイドに回せるくらいの余裕が出てくれば、四強に食い込めるのだが…。人手不足に悩んでいたタイミングで、元エース・棚原の復帰は朗報。

【人事往来】
IN
浅井(中京大)
仲程(東海大―デンマーク)
中川(朝日大)
東長濱(アドバイザーで復帰)
棚原(復帰)

OUT
趙顯章(豊田合成)

 左の大砲で、1年かけてチームになじませてきた趙が移籍した。真ん中を守れて、ロングが打てる趙の穴はとてつもなく大きい。台湾ルートで、趙に続く掘り出し物を補強できれば面白いが、若手を起用することも大事。新人では仲程、浅井の両サイドの決定力は、リーグでも通用している。
 チームの頭脳だった東長濱秀作が、今年からアドバイザーで復帰したのは嬉しいニュース。水野監督がコートに立った時に、ベンチワークを任せられる。また海外挑戦で宙に浮いていた棚原が復帰したのは大きい(10月21日の豊田合成戦から出場可能)。2年前はOFでの暴走が目立った棚原だが、東長濱アドバイザーなら棚原を制御できる。

【指揮官】
水野裕紀監督
 長年チームを率いてきた東長濱秀吉監督(東長濱秀作アドバイザーの父)に代わり、昨年から兼任で指揮を執る。選手との年齢も近く、毎日の練習をしっかりと見ることで、若手のモチベーションを高めてきた。チーム全体にハードワークを落とし込んでいるのも好印象。監督業が主とはいえ、スムーズなボール回しは健在。むしろ兼任になってからの方が、短時間で攻撃を立て直せているようにも見える。一時期ほど7人攻撃を使わなくなったが、勝負どころでは7人攻撃を仕掛けてくる。

【キープレーヤー】
福田丈

 右サイドのレギュラーだったが、趙が抜けた今年から右バックになった。元々が中部大インカレ優勝時の右バックで、本来のポジションに戻って「プレーしやすい」と喜んでいる。持ち味は視野の広いプレー。趙のようなロングの迫力は求められないが、コート全体が見えていて、正確にパスを配れる。シュートのバリエーションも豊富で、苦しい場面でのステップシュートはチームを救う武器になる。これまでの2年間とは異なる福田の魅力が、今年は見られるだろう。

【この技を見よ!】
・石川出のハードワーク

石川出
石川出

 大崎電気の時はスポットでしかコートに立てず、苦しんでいた。昨シーズンにコラソンに移籍してからは出場時間が増えて、攻守によさが出るようになった。自分のアピールだけにこだわるよりも、常にチームのことを考えてプレーした方が、石川の「らしさ」が出る。攻撃では常に前を狙いながら、周りを活かせる。守ってはハードワークで、味方を助ける。昨シーズンは特に、「DFでここまで身体を張るか!」というくらい、献身的なプレーが印象的だった。
打てて、守れて、勝負強くて、リーダーシップも発揮できる日体大時代のよさが、ようやく日本リーグでも見られるようになった。今年もフォア・ザ・チームのプレーでコラソンをリードしてくれるに違いない。年間通してチームの中心に置いておきたい選手なので、ケガには気をつけて。

久保弘毅