「ハンドボール全般」カテゴリーアーカイブ

ハンドボールとカタール

ハンドボールの男子オリンピック予選はカタールで行われます。
カタールと言えば、今年初めに行われた(場所もカタールです)世界選手権において
銀メダルに輝いたチーム、しかも決勝戦のフランス戦では接戦で、もう少しで世界一に輝いていたかもしれないチームです。

そのカタール、なんとなく中東の国というイメージはあるものの、それ以上はよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
カタールはアラビア半島の東側にある半島に位置する国で、人口は200万人あまりです。
しかしその200万人のうち、カタール国籍を持つ人は30万人に満たず、残りは外国からの労働者で成り立っています。

石油や天然ガスと言った資源に恵まれ、オイルマネーとも呼ばれる巨額の資金を有する裕福な国の一つです。
そして、カタールは今、スポーツに力を入れていることが知られています。
その一つがサッカーのワールドカップの招地に成功したことで、2022年のサッカーワールドカップはカタールで開催されることが決まっています。

ハンドボールにもとても力を入れており、それが冒頭に書かせていただいた世界2位、という結果に繋がっています。
しかしカタールのハンドボールが強くなったのはここ最近のことです。
人口30万人の国がどうして、あっという間にハンドボールで世界2位になれたのでしょうか?

この秘密は、カタールチームの選手にはカタールに帰化した選手が大半、ということにあります。
先の世界選手権では実に17名の選手中、カタール出身の選手はわずかに4人、残り13人は外国の選手です。

その良し悪しは別にして、今、ハンドボール界でカタールが最も熱い地域の一つであることは間違いありません。
日本とは同じアジア地区に属することもあり、今後もその動向が注目されます。

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カタールハンドボール公式Twitter(@2015Handball)より転載

ハンドボールのゴールキーパーに求められるもの

ハンドボール ゴールキーパー
ハンドボール ゴールキーパー

ハンドボールのゴールキーパーは、とても怖いポジションですです。
ハンドボールのシュートはプロの試合では100キロを超えることもあります。プロテクターなどの防具なしに、向かってくるボールに立ち向かいます。
攻撃の選手は6メートルラインの内側にジャンプして入ってくることが認められており、空中からシュートしてくることもあります。
ゴールキーパーにはシュートを怖がらない勇気が必要です。

ゴールキーパーは守備の際、味方の一番後ろから状況を見守っているので、味方の守備に指示を出してあげる必要があります。
つまり、味方の選手を動かす力(いうなればリーダーシップ)が必要です。

シュートを止めたあとは速攻のためにすでに動き出している選手に向けて確実なパスを出す技術や視野の広さも必要です。

さらに、飛んできたボールに反応する動体視力や反応速度も必要です。
柔軟性も必要になります。これは、足元に飛んできたボールは足で防ぐしかない(手を出していては間に合わない)のですが、ゴールの反対側まで足を伸ばすにはそれなりの柔軟性が必要だから、です。

このようにゴールキーパーはたくさんの能力が必要とされます。
その分、ハンドボールの試合では、ゴールキーパーの活躍に光があてられることもたくさんあります。中には枠内シュートの4割近くをとめる選手もいます。

試合をご覧になる際は、ぜひゴールキーパーの素晴らしいセーブも楽しんでください。

ハンドボールのゴールキーパー

ハンドボールにはゴールキーパーというポジションがあります。
ゴールを守る最後の砦であり、他のポジションの選手とは異なり、6メートルラインの内側に入れることや、(足を含む)全身を使ってゴールを守れるという特別なポジションです。
一番運動神経の良い子をゴールキーパーにする、とおっしゃる指導者もおられることから、いかに重要なポジションであるかがご理解いただけるものと思います。

しかし、ゴールキーパーは過酷なポジションでもあります。
至近距離からシュートされる場合がありますが、それに全身で立ち向かわなければならない、勇気が必要とされます。
また、身体のどこにボールがくるか分からず、場合によっては顔面にシュートが(ボールが)ぶつかることもあります(ハンドボールのゴールキーパーは、野球のキャッチャーやアイスホッケーのゴールキーパーのように防具をつけていないのです)。

そのようなゴールキーパーはシュートを防げば、してやったりですし、失点すればがっかり、です。
しかし、同じ失点であっても、ゴールから離れた位置から放たれるミドル・ロングシュートを決められるとさらに悔しいものです。
また、ループシュート(ゴールキーパーの頭上を越えるふわっとしたシュート)を決められるのもまた悔しいものです。
逆にシュートを止めた場合でも、足元にきたシュートを止めた方がより、満足度が高い、というゴールキーパーもいます。

試合中に得点が入ったとき、またゴールキーパーがシュートを止めたとき、ぜひゴールキーパーの表情にもご注目下さい。

ハンドボール ゴールキーパー

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中東の笛

中東の笛

日本メディアでハンドボールがもっとも大きく報道されたのは、2007年に行われた北京オリンピックの予選であると言われています。
このときに有名になった言葉が「中東の笛」です。

中東の笛とは、審判が自国に有利な判定を行うことを意味していますが、これが特にアラブ圏の中東諸国との試合で見られたことから名づけられました。
2007年のオリンピック予選では、クエートと韓国、クエートと日本のそれぞれの試合において、アラブ人(韓国戦がヨルダン人、日本戦がイラン人)が審判を務め、一方的にイランに有利な判定が相次ぎました。
これらの試合においては当初は第三国(ドイツ人)の審判が試合を裁くことになっていたところ、直前に審判が交代になったことも問題視されています。

ことハンドボールについては、特にアジアでのハンドボールに対して、中東の国々が大きな資金援助をしている実態があります。
そのため、アジアハンドボール連盟が中東諸国の意向を汲んで試合結果までも左右していることが起こっているのです。

2007年のオリンピック予選については、国際ハンドボール連盟がこの中東の笛の存在を認め、予選がやり直される事態になったため、日本国内でも大きく報道されました。

スポーツは公平な条件で試合しなければやっている選手も、見ている人も楽しくありません。その結果は、ファンが離れ、競技の衰退にしかならないのではないでしょうか。
今後、このような問題が再発しないよう祈らずにはいられません。

 

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本文と写真は関係ありません。

JHL Challenge 50

日本ハンドボールリーグ機構は、日本の最高峰のハンドボールリーグを運営している団体です。
11月14日に開幕を控えた男子リーグの記者会見を11月2日に行いました。

その中で注目すべき発表が二つ行われています。
その一つが、アンバサダーとして、NGT48のキャプテンでもある北原里英さんが選ばれたことです。
北原さんは実際にハンドボール経験者でもあり、今後のイベントやポスターでその姿を見ることが増えそうです(14日の開幕戦で東京の墨田区体育館にも来場される予定です)。

そしてもう一つが、「JHL Challenge 50」というアクションプランが示されたことです。
JHLはJapan Handball League(日本ハンドボールリーグ)の略ですが、こちらのリーグは今年が40周年、10年後の2025年には50周年を迎えます。
その来る50周年に向けて様々な取組を行っていく、その目標としてJHL Challenge 50は発表されています。

このJHL Challenge 50の内容ですが、具体的な目標が大きく2つ、示されています。
その1つが、ハンドボールという競技の普及を目指すものです。
1部リーグのチーム数を男女合計で20チームとすること(現在は男子9、女子7の16チームです)や、現在はなくなってしまっている2部リーグを創設することなどが、目標として表明されています。
チーム数が増えることにより、東京や大阪といった大都市に本拠を置くチームができることも理想として考えられています。

そしてもう1つが競技の質を上げるための取り組みです。
こちらは具体的には指導者(コーチ)の資格制度の導入が検討されているほか、外国人選手枠(現在は1試合で2名、コート上には1名という制限があります)の撤廃についても検討されているようです。

どんどん変わっていくハンドボール、これからがますます楽しみです。

ハンドボール ブンデスリーガ
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