ハンドボール日本代表紹介#3 角南果帆(ソニーセミコンダクタ マニュファクチャリング)

角南果帆
角南果帆

・賢い妹
 角南姉妹の妹は、ライン際でのクレバーな動きが信条。バックプレーヤーと2対2をしながら、裏で攻撃を組み立てる。味方にスペースを作るためにスクリーンをかけたり、対角からのポストパスをもらったり、理にかなった動きで得点に絡む。スクリーンをかけていたかと思いきや、パッと離れてDFを置き去りにして、ノーマークになるのも上手。

 日本代表のウルリック・キルケリーは7人攻撃を多用するが、7人攻撃が高確率で決まるのは、角南(果)と#28永田しおりの2人のポスト(PV)がしっかりしているから。重さで勝負する永田(し)がくさびになり、機動力で勝負する角南(果)が動き出し、局所の2対1を作り出す。いわゆるプラス1(数的優位)を作ることにかけては、国内随一のポストプレーヤーと言っていい。

 メンバーの配置の関係で、代表ではDFに出る機会があまり多くないが、守備力も素晴らしい。特にオープンDF(上と下を分ける3:3DFのような形)の時には、前でいい仕事をする。セットOFからの戻りでは、相手の速攻のパス出しを遅らせる。記録に残らない細かい部分で、チームに足りないものを提供してくれる。こういう選手がいてくれると、非常に助かる。

 期待したいプレーは、セットOFでの黒子になる動き。大きい6:0DFとやり合うだけでなく、スペースにサッと入ってきて、フィニッシュに持ち込めるか。世界で通用する得点力があった小さなポスト・横嶋かおる(元北國銀行)のような、いつの間にかフリーになる動きに憧れ、腕を磨いてきた。横嶋(か)にはない「がめる(勝ちの位置を取る)」プレーもできる。変幻自在なポストプレーが、今年も熊本で見られるか。

久保弘毅