クリケットやカバディのプロリーグで大きな成功を収めているインドで、今、ハンドボールが新たなプロスポーツとして大きな注目を集めている。2023年に初の全国リーグが成功裏に開幕したのに続き、2026年には大規模な地域主導のプロリーグの開催が発表され、国内のハンドボール熱はますます高まりを見せている。
先陣を切った「プレミアハンドボールリーグ (PHL)」
インドにおけるプロハンドボールリーグの先駆けとなったのが、2023年6月に開幕した**「プレミアハンドボールリーグ(Premier Handball League, PHL)」**だ。
男子6チームが参加した初シーズンは、ラジャスタン州ジャイプールで集中開催され、大きな盛り上がりを見せた。記念すべき初代チャンピオンには、マハラシュトラ・アイアンメンが輝いた。PHLは、これまで国内で十分な注目を集めていたとは言えなかったハンドボールにプロフェッショナルな舞台を提供し、選手のキャリアパスを切り拓くとともに、国内の競技レベル向上に大きく貢献することが期待されている。
プレミアハンドボールリーグ (PHL) 概要
- 開始年: 2023年
- チーム数: 男子6チーム
- 初代王者: マハラシュトラ・アイアンメン
- 特徴: インド初の全国規模プロハンドボールリーグ
新たな潮流となるか? ナグプール発「プロハンドボールリーグ」
PHLの成功に触発されるかのように、インド中部の都市ナグプールが、独自のプロハンドボールリーグ(HPL)を2026年2月に開催することを発表した。
このリーグの最大の特徴は、その規模にある。男女各6チーム、合計12チームが参加する史上最大規模の大会となる予定だ。さらに、**総賞金520万ルピー(約1,140万円)**という破格の賞金が用意されており、選手のモチベーションを高め、国内外から有力選手を引きつける狙いがある。
「インドのハンドボールの首都」とも呼ばれるナグプールが主催することで、地域振興と競技の裾野拡大を強力に推進していく構えだ。
ナグプール プロハンドボールリーグ (HPL) 概要
- 開始予定: 2026年2月
- 開催地: ナグプール
- チーム数: 男子6チーム、女子6チーム
- 賞金総額: 520万ルピー(約1,140万円)
- 特徴: 地域主導による大規模な男女混合プロリーグ
2つのリーグが示すインドハンドボールの未来
重要なのは、これら2つのリーグがそれぞれ独立した取り組みであるという点だ。PHLが全国的な枠組みでプロ化の道を切り拓き、ナグプールのHPLが地域に根ざした新たなモデルを提示している。これは、インド国内でハンドボールの人気と商業的価値が高まっていることの何よりの証拠と言えるだろう。
クリケットの「インディアン・プレミアリーグ(IPL)」の大成功以降、インドでは様々なスポーツでプロリーグ化が進んでいる。ハンドボールもその潮流に乗り、全国リーグと地域リーグが互いに刺激し合うことで、競技全体の発展が加速していくことが期待される。
インドのハンドボール界は、まさに夜明けを迎えた。今後、これらのプロリーグからスター選手が生まれ、国際舞台でインドチームが躍進する日も、そう遠くないかもしれない。