「久保弘毅」カテゴリーアーカイブ

チームの見どころ 【北國銀行】昨年度女子優勝

【チームの戦い】
日本リーグ3年間負けなしの54連勝中。選手層が厚く、日本代表を数多く抱えており、「勝って当たり前」のチームになった。主力が充実しているが、佐々木、永田など次世代の核になるべき人材を育てながら、連勝記録を伸ばしていけるか。

【予想布陣】
LW:八十島(河田、田邉)
LB:河田(塩田、佐々木)
CB:横嶋(大山)
RB:角南(深田、山口)
RW:鰍場(秋山)
PV:永田(大山)
GK:寺田(橋本)

6:0DF
永田がトップの5:1DF

 昨シーズンのプレーオフでMVPを受賞した石野がヒザの手術で抜けるため、右バックがやや手薄になる。ケガから戻ってきた角南が万全であれば問題ないが、角南以外の選択肢もほしいところ。大山と横嶋のセンター2枚を同時に出場させても面白いか。

【人事往来】
IN
佐々木(大阪体育大)
秋山(大阪体育大)
松本(大阪体育大)
OUT
後藤(引退)
翁長(国士舘大コーチ)

日本のエース候補と言われる佐々木をいかに育てるかが、2020年へ向けての大きな課題。日本に足りない「世界に通用するロングシューター」の可能性を秘めた逸材だけに、1年目から長時間使ってほしい。多少足りないところがあったとしても、いい選手は1年目から使わないと、成長が遅れてしまう。秋山は小松コーチ以来となる左利きの右サイド。回り込んで打てる力もある。松本はサイズとDF力のある左サイド。田邉とタイプが近い。

戦力的には大幅ダウンにはならないが、最高の笑顔で場を和ませてきた後藤、オールラウンダーで副将だった翁長と、得難いキャラクター2人が抜ける影響力は意外と大きいかもしれない。チーム作りで欠かせないパーツだった2人の穴をどうやって埋めていくか。空気が読める若手の台頭が望まれる。

【指揮官】
荷川取義浩監督
 「ニカさん」は一時期よりかなり絞ったとはいえ、熊のような大きな体がトレードマーク。ポストを絡めた2対2を軸に、サインプレーになるべく頼らないフリーオフェンスのチームを作り続けて、リーグの頂点に立った。たまにベンチでエキサイトしてしまう時もあるが、そこは小松コーチが冷静にフォローしている。負傷した選手を「お姫様だっこ」でコートの外に担ぎ出す姿に、優しさが感じられる。

【キープレーヤー】
大山真奈
ひと言で言えば「わかっている」選手。ロジカルに数的優位が作れて、2枚目を守れるDF力もあって、速攻で走るだけでなく、サイドから決め切る器用さもある。プレーオフの決勝では左サイドに入り、長い時間ボールを回した末のサイドシュートを決めて、流れを呼び寄せた。今年はハンドボールIQの高さを買われて、ポストでの出場機会が多くなりそう。
ベンチに置いておくと安心なオールラウンダーで、荷川取監督はオールラウンダーを重要視しているが、彼女の本業はゲームメイカー。司令塔で長く使うほどによさが出るタイプだけに、どれだけセンターで出場時間をもらえるか。得点力のある横嶋を右バックにして、大山に試合を作らせてもいい。よくも悪くも「オール4」の選手なので、判断力以外に「目に見えるスペシャルな武器」をひとつ持ちたいところ。

大山
大山

【この技を見よ!】
・GK寺田三友紀のスローイング
寺田が正GKになってから、北國は走り勝てるチームになった。素早く正確なライナーパスが持ち味で、コート全体を見渡して、真ん中にパスを通したり、両サイドに振ったりと自在に使い分ける。サッカーで言う中央突破とサイドアタックを使い分ける技術は、国際大会でも通用している。相手がGKを下げた時間帯に、直接ゴールを狙うコントロールも抜群。
カリスマぶらない気さくな人柄で過小評価されてきたが、30歳目前で初の日本代表入りを果たし、やる気になっている。ハイコーナーを捕れるようになれば、代表に定着できる。

寺田
寺田

久保弘毅

メリス契約選手 飛騨高山ブラックブルズ岐阜#18 田口舞

田口舞
田口舞

飛騨高山ブラックブルズ岐阜#18 田口舞
桜花学園高―筑波大―広島メイプルレッズ 29歳 168cm 60kg 右利き GK(コーチ兼任)

■どんな選手?/情報を発信できるGK。ハンドボールの魅力、GKの技術を伝えられる言語能力だけでなく、人間性そのものが素晴らしい。サイズ不足で広島ではレギュラーになれなかったが、高校時代の恩師でもある山川由加監督率いるブルズでは、神がかり的な好セーブでチームの顔に。ブルズが勝つ試合は必ずと言っていいほど大当たりしている。

■観賞ポイント/下のボールへの絶対的な強さ。柔軟体操やラダートレーニングの姿を見れば、爆発的なスライディングができる理由がよくわかる。股関節が柔らかく、股関節から無理なく足を引き上げられる。

■活躍の場/若返ったブルズの柱として、GK講習会の指導者として、活動範囲はさらに広がりそう。

田口舞
田口舞

久保弘毅

チームの見どころ 【大崎電気】昨年度男子優勝

チームの見どころ

【大崎電気】昨年度男子優勝

【チームの戦い】
以前から言われているように、リーグきっての才能集団。日本代表選手を数多く抱えて、2チーム分ぐらいの選手層の厚さを誇る。これまでは圧倒的な強さを見せたかと思うと、思わぬ取りこぼしがあったり、短期決戦で力を出し切れずに終わることが多かった。しかし昨シーズンは後半に調子を上げて、初のプレーオフ連覇を達成した。大事な試合を落とさなくなったのは、キャプテンの岩永を中心にチームが成熟してきた証拠と言える。

【予想布陣】
LW:小澤(平子)
LB:信太(宮﨑、小山)
CB:植垣健(岩永、馬場)
RB:東長濱(柴山、時村)
RW:元木(植垣貴)
PV:小室(森、夏山)
GK:木村(東、村上)

6:0DF
馬場がトップの変則5:1DF

誰もが一芸を持っていて、組み合わせの妙が楽しめる布陣。前半はアップテンポで試合を作り、後半の勝負どころで夏山、時村、馬場を投入して守り勝つ。プレーオフでは小山という新たなDFのオプションが機能し、選択肢がさらに増えた。OFでは宮﨑が「代打の神様」的存在。プレータイムを制限することで、試合の入りでの爆発力がより生きるようになった。左サイドの小澤は長い時間プレーすることでよさが出るタイプ。出場時間が増えて、本来のキレ味が戻ってきた。

【人事往来】
IN
中谷(大阪体育大)
OUT
染谷(マネージャー)

小さくても人一倍のフィジカルでファイトしていた染谷が引退。今年からマネージャーに転身した。人柄がいいので、マネージャーにうってつけ。
新加入は大体大のキャプテンだった中谷。小柄でもハンドボールをよくわかっているセンターだった。大崎では左サイドで出番を伺う。19番の前任者・猪妻正活のような、展開力のある左サイドに育ってほしい。

【指揮官】
岩本真典監督
日本リーグ歴代最多得点記録保持者。2mの長身ゆえにロングシューターという扱いを受けてきたが、本質は確率の高いプレーを選択するパサータイプ。全体にパスを配って、攻撃を滑らかにする視野の広さが、今のチーム作りにも反映されている。NBAの選手交代のように、全員を上手にローテーションさせながら、プレータイムをコントロールしている。マスコミには多くを語らないが、ハンドボールへの思いは熱い。

 

【キープレーヤー】
植垣健人
日本代表でもセンターに定着してほしい選手。これまでも途中出場で決勝シュートを決めるなど、「打てる司令塔」として魅力をアピールしていた。国際大会にも徐々に慣れて、国内同様、強気で前を狙う姿勢が見られるようになってきた。得意分野であるゲームメイク能力をさらに磨くべく、今年から先発に昇格。試合運びの起承転結を学んで、ストーリー性のある組み立てができるようになってほしい。
日本代表ではボール回しの上手い植垣、シュート力のある東江雄斗(大同特殊鋼)、ダイレクトに間を割れる門山哲也(トヨタ車体)の3人で、センターのポジションを争う。

植垣健
植垣健

 

【この技を見よ!】
・森淳のポストプレー
色んなところで2対2ができる。決してでしゃばることなく、バックプレーヤーのやりたいプレーに合わせつつ、エリア内へのバウンドパスを片手キャッチ。難しい体勢からでもほとんどシュートを外さない。キャッチミス、シュートミスが少ないから、攻撃がいい形で完結できる。同じ190cmのポストでも、速攻についていける脚力では小室だが、セットOFの信頼感なら森。ゲーム終盤の大事な場面でも、バックプレーヤーが安心してパスを出せる。ヒザの持病さえなければ日本代表に定着していたはずの選手。十分すぎるくらいに気を遣っているだろうけど、年間通してコンディションの維持を。

森

久保弘毅

メリス契約選手 大崎電気#24 信太弘樹

信太弘樹
信太弘樹

Melisがサプライヤー契約を結んだ3選手を紹介します。

大崎電気#24 信太弘樹
藤代紫水高―日本体育大 27歳 188cm 85kg 右利き 左バック・センター
■どんな選手?/日本のエース。学生時代から「将来の日本代表を背負って立つ逸材」と言われていた。足踏みした時期もあったが、体調が万全になった昨年あたりから本来の「エースらしさ」が戻ってきた。周りが見えているし、打つべき時に無理なく打ち込める。

■観賞ポイント/やはりボールをもらう前の動き。オフ・ザ・ボールで無理なく動いて、DFの間から理にかなったシュートを放つ。難しいプレーをさらりとこなすイメージが強いが、好調な時ほどシンプルかつ力強い。

■活躍の場/今年1月の世界選手権で活躍したが、「まだまだ試合ごとに調子の波があった」と気を引き締める。これからが最盛期。より高い次元での安定感を求めていく。

久保弘毅

メリス契約選手 筑波大学 徳田新之介

徳田新之介
徳田新之介

メリス契約選手

Melisがサプライヤー契約を結んだ3選手を紹介します。

筑波大学 徳田新之介
岩国工業高―筑波大(4年) 21歳 178cm ●kg 左利き 右バック

■どんな選手?/国際大会に強い、日本の若き得点源。抜群のキレ味で間を割っていく。1月の世界選手権では、カットインが世界で通用することを改めて証明した。中山剛(元湧永製薬監督)、宮﨑大輔(大崎電気)、信太弘樹(大崎電気)と、日本の歴代のエースは20歳過ぎに世界でインパクトを残している。徳田もその流れに乗ったと言えるだろう。

■観賞ポイント/位置取りのよさ。オフ・ザ・ボールの動きの巧さは岩国工業伝統の「蛇行」の教えがあるから。それにプラスして、自分がDFを寄せることで、味方のために広いスペースを作る意識も持っている。これも立派な「周りを活かすプレー」。

■活躍の場/世界でも守れる強さが身につけば、言うことなし。

久保弘毅