ハンドボールは手を使ってもいいサッカーと思っていれば、初めて試合を楽しむには十分です。
でも、ハンドボールとサッカーはもっと深いところでお互いに影響していることを知ると、ハンドボールファンもサッカーファンももっと楽しめるのではないかと思います。
そのハンドボールとサッカーの共通点は、ゴールにボールが入ると1点、というところです。
ゴールにボールを入れるための戦術は、サッカーよりもハンドボールが進んでいると言われることがあります。
例えば、近年のサッカーでは攻守の切り替えが非常に大事な要素になっています。
以 前は守備の選手は守備を担当し、攻撃は攻撃の選手に任せるのが一般的でしたが、現代サッカーではボールを奪われた瞬間に攻撃の選手が守備をする(プレスを かける)こと、あるいは攻撃の際に守備の選手が攻撃に参加すること(オーバーラップや、サイドバックの選手の攻撃参加)、はもはやどのチームでも行ってい る常識であると言えます。
そして、このような戦術はハンドボールの方が遥かに早くから取り入れてきた戦術なのです。
一方で、ハン ドボールがサッカーから取り入れている戦術もあります。近年のスペイン、リーガエスパニョーラのFCバルセロナ(通称バルサ)が流行らせたポゼッション サッカーは攻撃の際に、ボールを確実に保持しつつ、素早いパス回しから守備の隙を狙っていく戦術ですが、このような戦術がハンドボールでも見られるように なっています。
実はこのFCバルセロナ、サッカーチームと合わせて、ハンドボールのチームを持っています。そして、サッカーチームの監督や選手(有名なメッシも!)、ハンドボールの試合をよく観戦していることが知られています。
この先、ハンドボールと、サッカーともに、新しい戦術が生まれ、流行していくことになると思いますが、どちらが影響を受けたものなのか、を見てみるとより両方のスポーツが楽しめるようになるかもしれません。