チームの見どころ
【大阪ラヴィッツ】今年度から新規加入
http://lovvits.jp/
【チームの戦い】
ハンドボールどころ大阪に誕生した待望のクラブチーム。午前中に練習して、午後から勤務という、他とは異なる練習環境で日本リーグに挑戦している。リーグ加盟1年目とはいえ、田中、儀間らソニーのベテラン組に、元オムロンで日本代表のエースだった藤井がいるので、チームの形はしっかりしている。ツイッターでの情報発信の面白さはリーグ随一。
【予想布陣】
LW:田中(中久保、松澤)
LB:古川(田中)
CB:儀間(田中)
RB:藤井(永塚、水田)
RW:松澤(永塚、森)
PV:中久保(川﨑、田中)
GK:泉(齋藤)
6:0DF
母校の大阪宣真高に戻って教員をしていた藤井が、リーグ戦途中から現役復帰。日本歴代最高の左腕が加わったことで、ロングシューター不在の問題が解決した。チーム事情で右バックをやっていた永塚を、本来の右サイドに回せるようになったし、田中と儀間の「匠の技」だけでは限界があったので、藤井の加入は大きなプラス。あとは左バックの古川が安定して点を取ってくれれば、攻撃のバランスは整う。速攻のスピードは上位にも引けを取らないので、チーム全体でセットの得点力を上げていきたい。
とはいえ、生きる伝説・田中がサイドやポストも兼ねるなど、選手層は決して厚くない。DFの要・川﨑は手術からの復帰待ち。学生時代に実績のある水田、森がケガから戻ってくれば、攻守に幅が広がるのだが。DFの真ん中で健闘する石田、両サイドで地味に働く松澤に続く若手が出てくるか。
【人事往来】
IN
古賀(関西大)
岩佐(東京女子体育大)
森(大阪体育大)
藤井(宣真高教員)
平田(四天王寺高)
OUT
現時点では、力はやや落ちるけど、やる気のある新人を優先して獲得している。いずれは認知度を高めて、大阪の有望選手を獲れるようになれば、長期的なビジョンが立てやすくなる。
地元の理解という意味では、宣真高のコーチをしていた藤井の現役復帰と、四天王寺高3年生の平田の途中加入は、素晴らしいできごと。「オール大阪」を作っていこうという気概が感じられる。
森は大体大ではケガもあって出番に恵まれなかったが、氷見高で鍛えられたクレバーな選手。ポスト、サイド、センターと、足りないところをそつなく埋める力があるので、ケガからの復帰が望まれる。
【指揮官】
中村博幸監督
ラヴィッツ初代監督は、大阪協会の会長補佐。大阪人らしいユーモアを交えた語り口で、できたてのチームを育成している。午前中だけという限られた時間で、どうやってチームを強くしていくか。「できるまで、やれ!」ができない環境でのアプローチに注目。
【キープレーヤー】
儀間晴香
とにかく巧い。ソニー時代は1対1のフェイントに特化した選手だったが、ラヴィッツに移籍してからは、ありとあらゆる引き出しを開けて点を取る選手に進化した。難しいプレーも難なくこなし、ソニー時代から師と仰ぐ田中美音子とのコンビネーションは阿吽の呼吸。かつての田中美音子&張素姫(元韓国代表、現富士大監督)の域に近づいてきた。
とはいえ儀間の難しいプレーが増えるのは、チームの得点が伸び悩んでいる証拠でもある。藤井紫緒という日本最高峰のロングシューターが入ってきたので、藤井の力を借りて、もっと楽に点を取れるようになれば、チームの白星も増える。
【この技を見よ!】
藤井紫緒のロングシュート
日本女子史上最高のロングシューター。男前すぎる腕の振りは、今も衰えていない。右手を素早く引きつけることで、左腕のスイングを生み出すメカニズムは、野球のピッチャーと同じ。クロスからのロングは、わかっていても止められない。7mスローを打つ前に、ボールにキスする姿もかっこいい。(写真は日本代表時代のもの)