チームの見どころ 【広島メイプルレッズ】昨年度女子準優勝

チームの見どころ

 

【広島メイプルレッズ】昨年度女子準優勝

 

【チームの戦い】

昨年12月に韓国代表の李美京が加入して、チームが生まれ変わった。センターでゲームをコントロールできて、ポストパスが上手い李美京が入ったことで、最大の強みであるポストの高山を生かせるようになった。高山にパスを出せずに苦しんでいたのがウソのように、色んなところからポストパスを出せるようになり、攻撃の幅が広がった。プレーオフの決勝では北國銀行の堅い守りに敗れたとはいえ、リーグ戦後半の「瞬間最大風速」は、間違いなくメイプルが一番だった。

 

【予想布陣】

LW:堀川(村田、石川)

LB:三田(青山、高山)

CB:李美京

RB:眞継

RW:門谷(石田、國廣)

PV:高山(堀川、角屋)

GK:板野(中村)

 

6:0DF

 

相変わらずバックプレーヤーが手薄なので、ポストの高山を上に持ってくる時間帯が今年も出てくるか。もしくは高山、堀川のダブルポストも考えられる。守りからそのまま攻めるために、ポストの堀川を左サイドに入れるパターンが昨年から増えている。本物のサイドシューターではないので、左サイドで仕留めたい時には本職の村田を投入。村田が一発必中で決めてくれると、流れがよくなる。右サイドの門谷は、ポストの高山とともに日本代表クラスの実力者。

 

【人事往来】

IN

三田(東京女子体育大)

石川(東京女子体育大)

中村(東京女子体育大)

OUT

塩見(引退)

塩田(引退)

笠木(引退)

加須屋

 

新エースに育ちつつあった笠木の引退が痛い。DFの要だった塩見の穴は堀川で埋められるとしても、笠木の得点力を肩代わりできる人材は見当たらない。派手なシュートを決める加須屋も登録から外れて、バックプレーヤーの頭数が致命的に不足している。

期待の新人は三田。佼成女―東女体大とエリートコースを歩んできたバックプレーヤーで、できることの幅が広い。非常にバランスがよく、判断力が優れている一方で、日本リーグレベルで通用する武器がほしいところ。石川、中村はバックアップからのスタートになる。

 

【指揮官】

金明惠(キム・ミョンヘ)監督

元韓国代表で、日本リーグでプレーする韓国人選手の草分け的存在。北國銀行で選手兼コーチとしてプレーしたのちに、立山アルミ、トヨタ紡織九州で長くコーチを務めた。韓国のスタイルを熟知しながら、日本のハンドボールもよく理解していて、2015年の監督就任以来「個のレベルアップ」を主眼にチームを強化している。細やかな気配りに優れ、男女問わず「ケイさん」を慕う人は多い。

 

【キープレーヤー】

 

板野陽
板野陽

昨シーズンは実質1人でゴールを守り抜いた。事実上のGKコーチ・高森のアドバイスを素直に吸収し、成長を続けている。長い手足をぐにゃぐにゃ動かしながら、意外な瞬発力でノーマークシュートを阻止する。軟体動物のようでいてダイナミックに動けるから、シューターは見慣れない光景に戸惑ってしまう。

以前から日本代表クラスのサイズと実力があったが、控えGKがいなかったチーム事情もあり、声がかからなかった。今年は新人GK中村が入ったので、心おきなく代表活動に参加できる。課題はスローイング。柔らかい手足をまとめきれないので、長い距離の送球に不安が残る。ここを克服できれば、次世代のNo.1GKになれる。

 

【この技を見よ!】

高山智恵
高山智恵

・高山智恵のポストプレー

メイプルが強い時は必ずと言っていいほど高山の得点が伸びている。しっかりと位置を取って、対角のポストパスをもらえている時は、セットOFが好調な証拠。かつて宋海林、大前(現コーチ)と築き上げたコンビネーションが、金美京が入ったことで復活しつつある。以前と比べてパスをもらえる機会が増えて、表情も明るくなった。

元々がポストで初の得点王まであと一歩まで迫ったこともある点取り屋。サイドDFに