日本男子代表#32 土井杏利(フランス・シャンベリー) 浦和学院高―日本体育大―フランス・シャンベリー 26歳 179cm76kg 右利き 左サイド
■どんな選手?/ヒザのケガで、プレーは日体大までのはずだった。ところが単身でフランスに渡ってから奇跡的にヒザの痛みがなくなり、ハンドボールを再開したらフランスリーグ1部のプレーを「目で覚えて」急成長。シンプルなスピードとジャンプ力で滞空時間を稼ぎ、空中でGKをよく見て、シンプルに逆を突く。こねくり回したような「間違った日本人らしさ」がないから、プレーが美しい。
■観賞ポイント/アジア選手権3位決定戦の前半終了間際に決めた逆スピン。ありえないくらい大きく曲がった。シンプルをベースに、飛び道具も一級品。
■活躍の場/日本が長年探し求めていた、決定力があって守れる左サイド。体調に気をつけて、息の長い活躍を。
久保弘毅
日本男子代表#31 銘苅淳(スペイン・アンヘル ヒメネス プエンテ ヘニル) 那覇西高―筑波大―トヨタ車体―ハンガリーリーグ―スペインリーグ 31歳 185cm 96kg 右利き センター・左バック・右バック
■どんな選手?/やるべきことをやり続け、30歳にして初の代表入り。なまじ賢くて弁が立つがゆえに、若い頃は「生意気なヤツ」扱いをされることもあった。でもフィジカルを極限まで高めて、ハンガリーでチームを渡り歩き、本物の強さを身につけた。国際仕様の守れるバックプレーヤーは、7mスローを含めた効果的な得点とディフェンスでのハードワークで、チームに計り知れないプラスをもたらす。
■観賞ポイント/1人で2人を守る姿。「オフェンスファウルを誘う時に、絶対倒れないのが、僕のプライド」という心意気が素晴らしい。
■活躍の場/自分で考えて行動できる選手。こういう選手が「少数派」であるうちは、日本のハンドボールに未来はない。
久保弘毅
日本男子代表#30 成田幸平(湧永製薬)
洛北高―大阪体育大―湧永製薬―ドイツ・フクセベルリンⅡ 27歳 191cm92kg 右利き 左バック・左サイド
■どんな選手?/守れる大砲。3枚目を守れる長いリーチがあり、攻撃では9mの外から打ち込める威力がある。2年間のドイツ留学でたくましさが増し、特にディフェンスでの身体接触は安心して見ていられるレベルに。成田、銘苅淳、土井杏利の3人が並んだ時の安定感は抜群。日常的に外国人と接触していれば、日本人でも問題なく守れることを証明した。実家は京都市内では有名な高級焼肉店「なり田屋」。
■観賞ポイント/迷いなく腕を振り抜くロングシュートも立派な武器。入社1年目の全日本総合(現在の日本選手権)決勝で、2次速攻から12mのロングを打ち込んだ。
■活躍の場/2年ぶりに復帰した湧永製薬でも、真ん中を守れる救世主になれるはず。
久保弘毅
日本男子代表#29 東江雄斗(大同特殊鋼) 興南高―早稲田大 22歳 184cm82kg 右利き センター・左バック
■どんな選手?/1993年度生まれの中では最高の選手。すべてのツールを兼ね備えている。兄の太輝(湧永製薬)は沖縄らしいトリッキーな技を多く持っているが、弟の雄斗は意外とオーソドックス。今年1月のアジア選手権では追加招集され、センターのバックアップでいい働きを見せた。しかし内定選手として出場したプレーオフでは、痛いパスミスもあった。
■観賞ポイント/総合点の高さ。ハンドボールIQが高いので、ロングが打てるセンターになれる可能性を秘めている。
■活躍の場/日本リーグレベルで見ても、まだフィジカルが足りない。フィジカルがつけば、国際大会でも間を割って新たな展開を作れる。2枚目を守れるディフェンス力も必須。
久保弘毅
日本男子代表#26 久保侑生(大同特殊鋼) 大分国際情報高―筑波大 28歳 186cm80kg 右利き GK
■どんな選手?/爆発力のあるGK。局地的な活躍という点では、甲斐昭人(トヨタ車体)、木村昌丈(大崎電気)をも上回る。日本リーグの阻止率は平均よりちょい上ぐらいでも、大事な試合でのインパクトは強烈。長い腕を頭の上からだらんと垂らして、時にはサイドシュートに対して極端にしゃがみ込むなど、多彩な動きを見せる。甘いマスクのせいか、以前は当たらない時の脆さが目立っていたが、近年はたくましくなった。
■観賞ポイント/場を支配する大当たり。立て続けに阻止して、流れを根こそぎ持っていく。
■活躍の場/課題は安定感。たまに当たらない日があるのがもったいない。GKは互いに支え合うポジションとはいえ、最低限のコンスタントさを。
久保弘毅
ドイツより meine Lieblingssachen