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チームの見どころ 【大同特殊鋼】昨年度男子準優勝

チームの見どころ

【大同特殊鋼】昨年度男子準優勝

【チームの戦い】
昨年7月に末松監督から岸川監督にバトンタッチ。急な監督人事がありながらも、伝統のチームワークでひとつにまとまった。昨年はタイトルこそなかったものの、やることを整理して、シンプルに戦えていた。2年連続で黒星スタートだった開幕戦に勝利するなど、内容は悪くない。東江という若き大黒柱がいるので、東江に続く若手が出てくれば、再び黄金時代を築ける。

【予想布陣】
LW:久保龍(千々波、石橋)
LB:東江
CB:藤江(原田)
RB:野村(池辺)
RW:平子(杉本)
PV:朴重奎(加藤)
GK:久保侑(田中)

5:1DF

伝統の5:1DFは健在。トップの千々波とフルバックの朴重奎のタテのラインを軸に安定感がある。GK久保侑はノーマークに強く、5月の社会人選手権では田中が絶好調だった。
ベストメンバーは確かに強いが、セカンドメンバーがやや心もとない。ポストの加藤、右サイドの杉本はレギュラーとそん色ないので、バックプレーヤーでもう一枚使える札がほしいところ。いざとなれば、朴重奎と加藤のダブルポストという強力なオプションがあるとはいえ、攻撃の幅を増やしたい。DF重視で起用される久保龍のサイドシュートの精度、朴重奎の戻りの遅さも要改善。

【人事往来】
IN
原田(大同大)
瀧澤(明治大)
吉田(国士舘大)
OUT
下村(引退)

攻守にいい働きを見せていた岸川が、昨シーズンから監督に専念。1対1が得意な下村も抜けて、バックプレーヤーが手薄になった。期待したいのはセンターの原田。東海ハンドボールスクールから大同高―大同大という生粋の大同育ちで、リーダーシップもある。OBの浦田悠司のような、言葉と機動力でボールをつなげる選手になってほしい。瀧澤、吉田はサイズのある新人。大同には大型選手を獲得して勝ってきた歴史があるので、期待は大きい。

【指揮官】
岸川英誉監督
現役時代からハンドボールの理解度が高く、日本代表では守れる大型サイドになったり、右利きの右バックでわずかなズレを利用したりと、求められる役割に順応していた。物静かなタイプのため過小評価されがちだが、監督としても優秀で、リーグ戦では1点差に追い上げられても途中出場の加藤を信頼して使い続けるなど、勝つことと育てることの両立を目指している。スピード重視の大同では珍しく肉体派だったので、フィジカル強化にも理解がある。

千々波英明
千々波英明

【キープレーヤー】
千々波英明
トップDFと言えば千々波。長いリーチとフットワークで、相手のパス回しを分断する。大事な場面では手を叩いて味方を鼓舞。「ここ一本」という場面を誰よりもわかっている。いつ、どのタイミングで声をかけているのかを見ているだけでも面白い。
パスカットからの速攻だけでなく、相手のGKがベンチに下がっている隙をつく「直接ゴール」も得意。決して肩が強くはないが、状況をよく見て、センターライン付近から確実にゴールに投げ入れる。新ルール導入以前から密かに得意としていたプレーだった。

東江雄斗
東江雄斗

【この技を見よ!】
・東江雄斗の多彩なシュート
兄の東江太輝(湧永製薬)はトリッキーな狙いを前面に押し出してくる。弟の雄斗は正統派のプレーを選択しながら、ここ一番で大胆な技を見せる。チェンジアップのような少し抜き気味のシュートでGKのタイミングを崩し、終了間際の7mスローで逆スピンを決めて、相手に捕まりそうな場面では左手でミドルを打ち込むなど、勝負どころで魅せてくるあたりは沖縄の血か。ポストの加藤曰く「あんな大事な場面でも左手で打ち抜けるのは、白元喆(元大同特殊鋼)と雄斗だけ」。入社1年目で得点王とレギュラーシーズンの最優秀選手賞を受賞するなど、実力は文句なし。2年目の今年はチームを勝たせて、日本の白元喆になってほしい。日本代表でも鍛えられ、DFが急激に上達している。

チームの見どころ 【北國銀行】昨年度女子優勝

【チームの戦い】
日本リーグ3年間負けなしの54連勝中。選手層が厚く、日本代表を数多く抱えており、「勝って当たり前」のチームになった。主力が充実しているが、佐々木、永田など次世代の核になるべき人材を育てながら、連勝記録を伸ばしていけるか。

【予想布陣】
LW:八十島(河田、田邉)
LB:河田(塩田、佐々木)
CB:横嶋(大山)
RB:角南(深田、山口)
RW:鰍場(秋山)
PV:永田(大山)
GK:寺田(橋本)

6:0DF
永田がトップの5:1DF

 昨シーズンのプレーオフでMVPを受賞した石野がヒザの手術で抜けるため、右バックがやや手薄になる。ケガから戻ってきた角南が万全であれば問題ないが、角南以外の選択肢もほしいところ。大山と横嶋のセンター2枚を同時に出場させても面白いか。

【人事往来】
IN
佐々木(大阪体育大)
秋山(大阪体育大)
松本(大阪体育大)
OUT
後藤(引退)
翁長(国士舘大コーチ)

日本のエース候補と言われる佐々木をいかに育てるかが、2020年へ向けての大きな課題。日本に足りない「世界に通用するロングシューター」の可能性を秘めた逸材だけに、1年目から長時間使ってほしい。多少足りないところがあったとしても、いい選手は1年目から使わないと、成長が遅れてしまう。秋山は小松コーチ以来となる左利きの右サイド。回り込んで打てる力もある。松本はサイズとDF力のある左サイド。田邉とタイプが近い。

戦力的には大幅ダウンにはならないが、最高の笑顔で場を和ませてきた後藤、オールラウンダーで副将だった翁長と、得難いキャラクター2人が抜ける影響力は意外と大きいかもしれない。チーム作りで欠かせないパーツだった2人の穴をどうやって埋めていくか。空気が読める若手の台頭が望まれる。

【指揮官】
荷川取義浩監督
 「ニカさん」は一時期よりかなり絞ったとはいえ、熊のような大きな体がトレードマーク。ポストを絡めた2対2を軸に、サインプレーになるべく頼らないフリーオフェンスのチームを作り続けて、リーグの頂点に立った。たまにベンチでエキサイトしてしまう時もあるが、そこは小松コーチが冷静にフォローしている。負傷した選手を「お姫様だっこ」でコートの外に担ぎ出す姿に、優しさが感じられる。

【キープレーヤー】
大山真奈
ひと言で言えば「わかっている」選手。ロジカルに数的優位が作れて、2枚目を守れるDF力もあって、速攻で走るだけでなく、サイドから決め切る器用さもある。プレーオフの決勝では左サイドに入り、長い時間ボールを回した末のサイドシュートを決めて、流れを呼び寄せた。今年はハンドボールIQの高さを買われて、ポストでの出場機会が多くなりそう。
ベンチに置いておくと安心なオールラウンダーで、荷川取監督はオールラウンダーを重要視しているが、彼女の本業はゲームメイカー。司令塔で長く使うほどによさが出るタイプだけに、どれだけセンターで出場時間をもらえるか。得点力のある横嶋を右バックにして、大山に試合を作らせてもいい。よくも悪くも「オール4」の選手なので、判断力以外に「目に見えるスペシャルな武器」をひとつ持ちたいところ。

大山
大山

【この技を見よ!】
・GK寺田三友紀のスローイング
寺田が正GKになってから、北國は走り勝てるチームになった。素早く正確なライナーパスが持ち味で、コート全体を見渡して、真ん中にパスを通したり、両サイドに振ったりと自在に使い分ける。サッカーで言う中央突破とサイドアタックを使い分ける技術は、国際大会でも通用している。相手がGKを下げた時間帯に、直接ゴールを狙うコントロールも抜群。
カリスマぶらない気さくな人柄で過小評価されてきたが、30歳目前で初の日本代表入りを果たし、やる気になっている。ハイコーナーを捕れるようになれば、代表に定着できる。

寺田
寺田

久保弘毅

メリス契約選手 飛騨高山ブラックブルズ岐阜#18 田口舞

田口舞
田口舞

飛騨高山ブラックブルズ岐阜#18 田口舞
桜花学園高―筑波大―広島メイプルレッズ 29歳 168cm 60kg 右利き GK(コーチ兼任)

■どんな選手?/情報を発信できるGK。ハンドボールの魅力、GKの技術を伝えられる言語能力だけでなく、人間性そのものが素晴らしい。サイズ不足で広島ではレギュラーになれなかったが、高校時代の恩師でもある山川由加監督率いるブルズでは、神がかり的な好セーブでチームの顔に。ブルズが勝つ試合は必ずと言っていいほど大当たりしている。

■観賞ポイント/下のボールへの絶対的な強さ。柔軟体操やラダートレーニングの姿を見れば、爆発的なスライディングができる理由がよくわかる。股関節が柔らかく、股関節から無理なく足を引き上げられる。

■活躍の場/若返ったブルズの柱として、GK講習会の指導者として、活動範囲はさらに広がりそう。

田口舞
田口舞

久保弘毅

チームの見どころ 【大崎電気】昨年度男子優勝

チームの見どころ

【大崎電気】昨年度男子優勝

【チームの戦い】
以前から言われているように、リーグきっての才能集団。日本代表選手を数多く抱えて、2チーム分ぐらいの選手層の厚さを誇る。これまでは圧倒的な強さを見せたかと思うと、思わぬ取りこぼしがあったり、短期決戦で力を出し切れずに終わることが多かった。しかし昨シーズンは後半に調子を上げて、初のプレーオフ連覇を達成した。大事な試合を落とさなくなったのは、キャプテンの岩永を中心にチームが成熟してきた証拠と言える。

【予想布陣】
LW:小澤(平子)
LB:信太(宮﨑、小山)
CB:植垣健(岩永、馬場)
RB:東長濱(柴山、時村)
RW:元木(植垣貴)
PV:小室(森、夏山)
GK:木村(東、村上)

6:0DF
馬場がトップの変則5:1DF

誰もが一芸を持っていて、組み合わせの妙が楽しめる布陣。前半はアップテンポで試合を作り、後半の勝負どころで夏山、時村、馬場を投入して守り勝つ。プレーオフでは小山という新たなDFのオプションが機能し、選択肢がさらに増えた。OFでは宮﨑が「代打の神様」的存在。プレータイムを制限することで、試合の入りでの爆発力がより生きるようになった。左サイドの小澤は長い時間プレーすることでよさが出るタイプ。出場時間が増えて、本来のキレ味が戻ってきた。

【人事往来】
IN
中谷(大阪体育大)
OUT
染谷(マネージャー)

小さくても人一倍のフィジカルでファイトしていた染谷が引退。今年からマネージャーに転身した。人柄がいいので、マネージャーにうってつけ。
新加入は大体大のキャプテンだった中谷。小柄でもハンドボールをよくわかっているセンターだった。大崎では左サイドで出番を伺う。19番の前任者・猪妻正活のような、展開力のある左サイドに育ってほしい。

【指揮官】
岩本真典監督
日本リーグ歴代最多得点記録保持者。2mの長身ゆえにロングシューターという扱いを受けてきたが、本質は確率の高いプレーを選択するパサータイプ。全体にパスを配って、攻撃を滑らかにする視野の広さが、今のチーム作りにも反映されている。NBAの選手交代のように、全員を上手にローテーションさせながら、プレータイムをコントロールしている。マスコミには多くを語らないが、ハンドボールへの思いは熱い。

 

【キープレーヤー】
植垣健人
日本代表でもセンターに定着してほしい選手。これまでも途中出場で決勝シュートを決めるなど、「打てる司令塔」として魅力をアピールしていた。国際大会にも徐々に慣れて、国内同様、強気で前を狙う姿勢が見られるようになってきた。得意分野であるゲームメイク能力をさらに磨くべく、今年から先発に昇格。試合運びの起承転結を学んで、ストーリー性のある組み立てができるようになってほしい。
日本代表ではボール回しの上手い植垣、シュート力のある東江雄斗(大同特殊鋼)、ダイレクトに間を割れる門山哲也(トヨタ車体)の3人で、センターのポジションを争う。

植垣健
植垣健

 

【この技を見よ!】
・森淳のポストプレー
色んなところで2対2ができる。決してでしゃばることなく、バックプレーヤーのやりたいプレーに合わせつつ、エリア内へのバウンドパスを片手キャッチ。難しい体勢からでもほとんどシュートを外さない。キャッチミス、シュートミスが少ないから、攻撃がいい形で完結できる。同じ190cmのポストでも、速攻についていける脚力では小室だが、セットOFの信頼感なら森。ゲーム終盤の大事な場面でも、バックプレーヤーが安心してパスを出せる。ヒザの持病さえなければ日本代表に定着していたはずの選手。十分すぎるくらいに気を遣っているだろうけど、年間通してコンディションの維持を。

森

久保弘毅

メリス契約選手 大崎電気#24 信太弘樹

信太弘樹
信太弘樹

Melisがサプライヤー契約を結んだ3選手を紹介します。

大崎電気#24 信太弘樹
藤代紫水高―日本体育大 27歳 188cm 85kg 右利き 左バック・センター
■どんな選手?/日本のエース。学生時代から「将来の日本代表を背負って立つ逸材」と言われていた。足踏みした時期もあったが、体調が万全になった昨年あたりから本来の「エースらしさ」が戻ってきた。周りが見えているし、打つべき時に無理なく打ち込める。

■観賞ポイント/やはりボールをもらう前の動き。オフ・ザ・ボールで無理なく動いて、DFの間から理にかなったシュートを放つ。難しいプレーをさらりとこなすイメージが強いが、好調な時ほどシンプルかつ力強い。

■活躍の場/今年1月の世界選手権で活躍したが、「まだまだ試合ごとに調子の波があった」と気を引き締める。これからが最盛期。より高い次元での安定感を求めていく。

久保弘毅