「ハンドボール日本代表」カテゴリーアーカイブ

この選手が凄い! その7 河田知美(北國銀行)

この選手が凄い! その7

河田知美
河田知美

河田知美(北國銀行)
【小さくても点が取れる】
 小柄な点取り屋として、学生時代から評判だった。北國銀行に入ってからも本職の左バックだけでなく、左サイドでも得点を重ね、中心選手になった。カットインができて、ロングも打てて、2対2の理屈がわかっているから横にずらしたり、ポストを見ながらプレーできる。攻撃に関しては非の打ちどころがない。
アンダーサイズな点取り屋は、上のカテゴリーでセンターに回されがちだが、荷川取義浩監督にエースで育ててもらえたのは、河田にとって幸運だった。荷川取監督は「河田は技を持っている」と言い、河田を効果的に起用している。DFでのサイズ不足を補完してくれる大型サイドの田邉夕貴が隣にいたこともよかった。かつての横嶋かおるなど、荷川取監督は、小柄でもハンドボールを分かっている選手を抜擢するのが上手い。

【サイズ不足を補う工夫】
 身長160cm(公称)だが、9mの外からロングシュートを決め切れる。得意技は落ち際で放つロング。小さいから最高到達点で打とうとするのではなく、そこから落ちてきたタイミングでコースに打ち分ける。DFも落ちてきているタイミングだから、シュートブロックに引っかからない。どういうタイミングでジャンプして、どのようにして滞空時間を保っているのかはわからないが、「1人時間差攻撃」のようなズレを生み出す。
 また7mスローを担当する際には、7mのラインより少し下がって、シュートコースを確保する。「私みたいな小さい人間は、国内からそういった工夫をしないと生き残れません」とのこと。その工夫は国際大会でも役に立っている。河田が7mスローを打つ時は、立ち位置に注目を。

【素敵な僧帽筋】
 小さくても投球動作がしっかりしている河田は、シュートフォームが美しい。両ヒジが少し背中側に入った、羽ばたくようなテークバックから、強いシュートを打ち込む。野球の投手で言えば東明大貴(オリックス)のような、質のいい真っすぐが投げられるフォーム。肩甲骨周辺の柔らかさはリーグ屈指。柔らかさだけなら山野由美子(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング)もいるが、柔らかさと強さの両方となると、河田が一番だろう。
 強さの源は、しっかりと発達した僧帽筋。小顔だから余計に、首から肩にかけての筋肉が目立つ。日本のフィジカルに優れた女子選手で結成しているGGS(ゴリゴリしスターズ)の一員。当初は「筋肉不足」と入会を見送られていたが、素晴らしい僧帽筋が認められ、晴れてメンバー入りを果たした。

久保弘毅

この選手が凄い! その6 横嶋彩(北國銀行)

この選手が凄い! その6

横嶋彩
横嶋彩

横嶋彩(北國銀行)
【点が取れるセンター】
 ハンドボールが上手な横嶋一族の中で、もっともシュート力のある選手。正統派のゲームメイカータイプではないが、自分が打つことで周りを活かせる。小さくてもタイミングを微妙に外したミドルシュートがよく決まり、DFが2人寄ったら周りにパス。セットOFを組み立てるというより、「寄ればパス、寄らなきゃ打つ」の大原則に忠実なプレースタイルで、好調時は1試合で10点を取ってくれる。
 以前は国際大会で思うように打てずに悩んでいたが、近年は国内と国外でプレースタイルを上手に使い分けられるようになった。代表の試合では我慢強くボールを回し続けて、相手がずれた一瞬の隙を狙って得点もしくは7mスローに結びつける。打つことでリズムを取る国内仕様のゲーム運びとは、ひと味違ったスタイルを確立した。

【ゴリゴリのカットイン】
 ミドルシュートとともに武器になっているのが、力強いカットイン。筋肉質の身体で間を強く割っていく。時にはゲームメイクを他の選手に任せて、大きめのバックステップから一直線にゴールに飛び込む。海外の大型ディフェンダーも捕まえられないスピードは、逆ミスマッチそのもの。
 フィジカル強化に意欲的で、多田仁美と森本方乃香(ともに三重)が立ち上げた筋肉ユニット「ゴリゴリシスターズ(略称GGS)」にいち早く賛同し、石川支部に就任した。ハンドボール界で話題になったゴリゴリTシャツをデザインしたのも彼女。多田の誕生日プレゼントに描いたゴリラの絵が、元になっている。
 素晴らしい筋肉をOFのみに活用していたが、近年はDFも上達し、代表では2枚目のDFに入る時間帯も出てきた。横嶋彩がDFに入ると、速攻での展開がスムーズになる。速攻のパス出しの起点になるだけでなく、2次速攻で勢いに乗って間を割るなど、得点のバリエーションが増える。
【ハンドボール一家のDNA】
 富山県では有名なハンドボール一家に生まれた。姉の横嶋かおる(元北國銀行ほか)は、スペースとルーズボールの嗅覚が抜群の名ポスト。日本リーグのシュート率の記録保持者(2015年度に90.6%)でもある。
妹の横嶋遙(アランマーレ)は、センターとポストの両方ができる万能選手。攻撃の表と裏を理解しているので、いいシューターが一枚いれば、より活きてくる。
クレバーさを売りにしている2人と比べると、横嶋彩は豪快さが目立つ。とはいえ横嶋家のDNAを引き継いでいるので、プレーに遊びがあり、それでいて勝負強い。北國銀行でも日本代表でも、姉のかおるがつけていた背番号9を引き継いでいる。

久保弘毅

HC 名古屋所属の高宮咲様よりシューズの感想をいただきました。

高宮咲

HC Nagoya所属の高宮咲様よりシューズの感想をいただきました。
ケンパ ウィング レディース ベリー ネイビー ホワイト 2018
https://neckar.jp/fs/melis/K200849702_item

今回私は「ケンパ ウィング レディース ベリー ネイビー ホワイト 2018」を履いています。
いつも新しいシューズに替えるときは、ウエイトトレーニングの時間などを使って慣らしてからハンドボールのトレーニングで履きはじめますが
今回のこのシューズは、届いたその日からフルで動いても足への影響はありませんでした。
それだけとても柔らかく足にすぐフィットしました。メッシュ素材なのでランニングシューズのような履き心地です!

デザインはかかとのネイビーからつま先に向かってピンクに変わっていくグラデーションです。
ピンクと言っても、赤に近いような色で他にはないカラーなので人と違うものを選びたいという方にはもってこいなのではないでしょうか。

あとはなんといってもとにかく軽い!!ということです。
チームメイトにKempaどんな感じ?と言われ履いてみてもらうことが多いですが、みんな口をそろえて「めっちゃ軽い!」とコメントが返ってきます。

わたしは今回のシューズがKempaを履きはじめて2足目となりました。
1足目もウィングを使っていましたが今回のものと素材も履き心地も違います。
Kempaはウィングの他にもモデルがあるのでいろいろなシューズを試して
自分の足に合ったシューズを見つけていただきたいと思います!

HC名古屋 #9
髙宮 咲

この選手が凄い! その2 吉野樹(トヨタ車体)

この選手が凄い! その2

吉野樹
吉野樹

吉野樹(トヨタ車体)

【腕の振りが独特】
ヒジを真っすぐ伸ばした、ちょっと古典的な腕の振り。昔ながらの「ヒジを伸ばして、相手から遠い位置でボールを保持する」ような投げ方をする。野球の言葉で言えば「アーム式」の投げ方。吉野自身は「『バッティングセンター』って言われるんですよね」とぼやく。
しかし、吉野の動きをよく見てほしい。一見ヒジが伸びたまま投げているようだけど、肩甲骨を柔らかく使えているから、いいシュートが打てる。トヨタ車体の山本充伺トレーナーは「吉野の肩甲骨の使い方は、野球やハンドボール等、すべての投げる競技の人のお手本になる」と絶賛している。「アームだからダメ」ではなく、これが吉野にとって「快適に腕が振れる方法」。なかなか真似ができないオリジナルの技である。

【コントロールがいい】
 大きめのテークバックから、GKをよく見て、コースに打ち分ける。野球のたとえが続いて恐縮だが、同じ様な投げ方で思い出されるのが、長年中日のリリーフ陣を支えてきた岩瀬仁紀。岩瀬も一見アーム式の投げ方だが、スライダーをきっちりとコントロールできたから、40歳を過ぎてもなお現役で活躍できている。ハンドボールで言えば、元日本代表女子の早船愛子(元三重ほか)も同じ様なタイプ。左腕が伸びたまま回しているようで、肩甲骨が柔らかく、コースへきちんと打ち分けられていた。
 腕を伸ばしたまま振り回すタイプは、腕の重さを球威に替えられるメリットがあるが、コントロールにばらつきが出やすい。でも吉野は繊細なコントロール技術を持っている。これは間違いなく才能。あとは身体を倒してプロンジョン気味に壁をかわしたり、アンダーハンドでも打てるようになれば、ちょっと手がつけられない。

【チームを背負える】
 入社1年目からトヨタ車体のエースになり、チームの勝敗を背負って打ち続けた。大事な試合でも物怖じすることなく打ち続けた勝負度胸は、称賛に値する。2年目の今年は日本代表にも選ばれ、攻撃で流れを変える役割が期待されている。
本人も認めるように、代表ではまだ当落線上。左の1枚目DFでチームのプラスになれるくらいの守備力がつけば、おのずと出番も増えてくるだろう。攻守のバランスを重視するダグル・シグルドソン監督に「使いたい」と思わせるくらいのトータルバランスを身につけたいところ。トヨタ車体の門山哲也、渡部仁のように、いずれは攻守にチームを背負える男に育ってくれたら。

久保弘毅

この選手が凄い! その1 徳田新之介(ダバシュ・ハンガリー)

この選手が凄い! その1

徳田新之介
徳田新之介
(ダバシュ・ハンガリー)

徳田新之介
徳田新之介

【国際試合に強い】
 学生時代から国際試合に強い選手だった。国内でも活躍するが、海外の10cm、10kg以上大きな相手でも、プレーの質が落ちない。むしろ大きな相手とやる時の方が生き生きしている。日本の選手が不慣れな大型GKへの対応も、十分に心得ている。
筑波大学を卒業後は日本リーグを経ずに、ハンガリーへ渡った。進路を決めるにあたっても「もっと強くなるために、今すぐ海外に行かなきゃ」と、迷いはなかった。選手には伸びるタイミングがある。日本の選手はその時期を逃しがちだが、徳田は旬なタイミングで海外挑戦を選択した。ハンガリーリーグ1部のダバシュで1年間プレーし、次のシーズンの契約を勝ち取っている。

【タイミングを外すシュート】
 身長は179cm。日本人のバックプレーヤーの中でも小柄な部類になる。それでも日本代表でファーストオプションになりうる得点能力を有する。タイミングを外して1歩で打つステップシュートはバリエーションが豊富。わずかな隙を逃さずに打ってくる。7mスローも含めて、大きなGKが相手でも、あっさり決め切る技術と度胸がある。ここ2年ほどでポストパスも上達し、クロスからポストに落とすなど、プレーの幅がさらに広がった。

【1対1で相手を寄せる】
 国際試合で頼りになるのは、ベースにある1対1の強さがあるから。岩国工業伝統の「蛇行(いわゆるオフ ザ ボールの動き)」から始まって、インにアウトに強烈に切り返す。大きい選手をスピードで振り切る「逆ミスマッチ」を作れるのが強み。日本代表でも「徳田が1対1を仕掛けたら、必ずDFを寄せてくれる」と信頼されている。自分が切れ込むだけでなく、周りに広いスペースを作ってあげられるから、セットOFでは欠かせない。 
今後は自分の「寄せる力」を利用して、攻撃全体をクリエイトする能力が求められる。「自分が点を取る時間帯」と「周りに点を取ってもらう時間帯」を60分間で使い分けられるようになれば、日本代表の得点力が上がるはず。1試合で10点を取るのがエースではなく、チームの得点を増やすのが真のエース。そういう感覚を持っている選手なので、今後はさらに「勝利のシナリオを描けるエース」に育ってほしい。

徳田新之介選手は今シーズンのmelis
契約選手です。

久保弘毅

昨日より記念Tシャツも販売開始致しました。
Stick to it!! Tシャツ 徳田新之介モデル
https://neckar.jp/fs/melis/tokuda19_item

Stick to it!! Tシャツ 徳田新之介モデル
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4色展開で3000円にて発売中です。