ハンドボールの魅力-ディフェンスシステムを見る

・ディフェンスシステムを見る 久保弘毅

ディフェンスシステムが変わると、試合の流れも変わります。また、どういったディフェンスシステムを使い分けているかで、チームの特徴も見えてきます。

ハンドボールはゾーンディフェンスで守ります。なぜならハンドボールはバスケットボールよりもコートが広いので、1対1をマンツーマンで守り切るのが難しいからです。1対1の原則は、スペースが広ければ広いほど攻撃側が有利になります。

だからディフェンス6人をいろんな形に並べて、目の前の選手を「そのまま」マークしたり、隣とマークマンを「スイッチ」(もしくは「チェンジ」)したりしながら守ります。原則として目の前のゾーンにいる選手が、自分の受け持ちになります。この「自分のマークが取れている」状態かどうかを見ていくと、わかりやすいでしょう。

相手が速攻で押してきた時も、まずは個々がマークを取ることから始めます。セットディフェンスの最初の状態では必ずマークが取れているはずです。攻撃側はマークを外したりミスマッチを作ったりするために、ポジションチェンジで揺さぶりをかけます。逆に守る側はマークがずれたり、重なったりしないよう、声を出して隣との連携を図ります。

「そのまま」と「スイッチ」を上手に使い分けて、マークの受け渡しが完璧であれば、理論上は失点することはありません。しかし実際にはサイズのミスマッチができたり、ノーマークの選手を作ってしまったりと言った事態が起こります。また、どのシステムにも必ず弱点があり、変則的なシステムほど、はまった時は鮮やかですが、崩されるリスクも大きいことも知っておきましょう。

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