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ハンドボールの魅力-5:1DF

・5:1DF
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ハンドボールの流れを変える要素のひとつであるディフェンスシステムについて、さらに見ていきます。

5:1DFは、6:0DFから1人前に出たシステムです。トップの選手が相手のパス回しを邪魔して、攻撃を分断します。詳しいことがわからなくても「パスがリズムよく回っているか」さえわかっておけば、攻撃が上手くいっているかどうかがわかります。ポン、ポンとリズムよくパスがつながっている時は、攻撃が成功する確率も高くなります。パスが渡ってから妙な間ができたり、ドリブルなどでボールを持ち過ぎる時間が増えていたら、攻撃が滞っています。裏を返せば、ディフェンスが成功していると言えます。

話を5:1DFに戻すと、トップには大きくて動ける選手が適任です。長いリーチでパス回しのリズムを崩し、大きな一歩でバックプレーヤーに圧力をかけ、相手の攻撃の方向づけることができれば、後ろの5人とGKも守りやすくなります。トップの選手が「どっちに(相手の攻撃を)誘導しているか」を観察するのも面白いでしょう。

5:1DFで有名なのは大同特殊鋼です。トップで手足の長い千々波英明が動き回り、フルバック(後ろの5人の真ん中)にはベテランの武田享がいて、周りに指示を出します。大同のプレーオフでの強さは、千々波―武田の「縦のライン」があったからと言われています。最近は元韓国代表の朴重奎がフルバックに入りましたが、新たな並びで連携を構築できるか注目です。

5:1DFにも、もちろん弱点はあります。6:0DFよりもライン際のスペースが広くなるので、間を割られるリスクも増えてきます。ライン際のスペースが広くなる分、サイドシュートやポストシュートも多くなります。

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久保弘毅

おりひめジャパン、オリンピックへの最終挑戦

20131205 日本ハンドボール協会ホームページより

10月に行われたリオデジャネイロオリンピックへの切符を賭けたアジア予選、そして12月の世界選手権、いずれでも出場権を得ることのできなかったハンドボール女子日本代表は、2016年3月に最終予選に進みました。
最終予選は12チームが3組に分かれ、各予選リーグ上位2位に食い込めればオリンピック出場が決まります。つまり4チーム中、上位2位に入ればオリンピックに出場できる、というわけです。

これだけ聞くと簡単そうにも思えますが、そこは最終予選にまで進出してくるチーム、そう簡単な話ではありません。

今回、日本と同じ組に入ったのは、オランダ、フランス、チュニジアです。
チュニジアは世界選手権でも対戦して、日本が31-21で勝利を収めているチーム、今回も取りこぼしの許されない相手です。
問題は、オランダとフランス。
世界選手権では19位の日本に対して、フランスは7位、オランダは何と2位のチームなんです。

ちなみに、アジア選手権で日本を下し、既にオリンピック出場を決めている韓国は、世界選手権で14位。
いかに、フランス、オランダの壁が高いかが分かります。

開催場所はフランスのニースになります。
フランスでは、ハンドボールの代表チームのユニフォームが普通に売られている(日本でもサッカー日本代表のユニフォームが売られていて、実際来ている人を見たことがあるのではないでしょうか)お国柄。代表モデルのハンドボールシューズも販売されています。
今回、日本チームがフランスを破ることができれば、オリンピックへ大きく前進することになりますので、ぜひ勝って、国内でおりひめジャパンのユニフォーム(レプリカ)が販売されるのを願っています。

ハンドボール東京都選手権シニア大会

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(あきる野市秋川体育館・中央公民館HPより)

2016年2月の11日と21日、東京都選手権のシニア大会が東京都あきる野市秋川体育館で開催されます。
今年度(平成27年度)の東京都選手権は、年初の時点で中止されることが決まっています(諸般の事情と詳細は明らかにされていません)。
そのため、東京都ハンドボール協会主催の大会としては、5月から6月にかけて行われた東京都民大会以来となります。

シニア大会は、生涯スポーツとしてハンドボールを楽しみ、愛好者との交流を深める、ことが大会趣旨とされています。
そのため、より幅広い年代の人たちが男女問わず、ハンドボールを楽しめるよう、特別ルールがいくつか設定されています。

まず、参加資格については、チームの男女分けはなく、どちらであっても、混合チームであっても参加可能です。
個人の参加資格については、男性が35歳以上に限定されています。女性は高校生以上と特に制限がないに等しいです。

ルールは、基本的には日本ハンドボール協会の競技規則が適用されます。
そのため、試合時間やユニフォーム、ハンドボールシューズの着用などについては、通常の大会と同じです。
特別ルールが設けられているのは、得点に関してです。

得点は、通常の選手の得点が1点、ハンデのある選手(年齢に応じてハンデが設定されています)の得点は加重されています。
例えば、男性40歳以上は2点、男性70歳以上は6点になります。女性は40歳以上で4点などとなっています。

キーパーによるハンデ(逆ハンデ)も用意されており、男性60歳以上がキーパーの場合には得点から1点マイナス、女性であれば2点マイナスになります(但し、最低得点1点は必ず入ります)。

通常とは違う得点システムにより、終盤での一発逆転を狙った采配等、見どころも増えそうですね。

JOCジュニアオリンピックカップ

tk1-300x225浦添市民体育館
(浦添市立体体育施設HPより)

ハンドボールのJOCジュニアオリンピックカップが、12/24(木)から12/27(日)にかけて、沖縄県で行われました。
JOCのジュニアオリンピックカップは、日本オリンピック委員会(JOC)が講演するスポーツ大会です。
従って、ハンドボール以外の競技でもJOCジュニアオリンピックは開催されています。

競技によって出場資格が異なるのですが、ハンドボールは中学生の大会になっおり、各地区の都道府県単位の選抜チームが、男女各24チームずつ、出場しました。

この大会は、将来、オリンピック選手として活躍する人材を発掘する、ことが目的の一つとされています。
そのため、長身の選手、左利きの選手、オールラウンダーの選手を優先して出場させるよう大会本部から要望が出されています。
また表彰も、優勝チームや、優勝チームから選ばれる最優秀選手だけではなく、オリンピック有望選手という全選手から選考される表彰も用意されていました。

会場は、沖縄県立武道館と、浦添市民体育館(こちらがメイン会場になります)の2か所。

将来の日本代表を背負って立つような、磨けば光る選手が集結する大会です。

むささびジャパンの新監督

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アントニオ・カルロス・オルテガ氏
日本ハンドボール協会ホームページより

ハンドボール男子日本代表はリオ・オリンピックへの出場権獲得に失敗し、監督を務められた岩本監督の辞意が明らかになっていました。
その岩本監督の後任として、スペイン人のアントニオ・カルロス・オルテガ氏の名前が浮上してきています。

オルテガ氏とは何者なのでしょうか。
彼はスペイン人、元スペイン代表のハンドボール選手です。
2000年のシドニー・オリンピックに出場して銅メダルも獲得しています。
現在44歳。

プレーヤーとしても一流だったオルテガ氏は、引退後指導者の道を歩み始めます。
その監督手腕には定評があり、直近、2015年のヨーロッパ・チャンピオンズリーグ(サッカーと同じ大会名ですが、クラブチームのヨーロッパチャンピオンを決める大会です)では、ハンガリーのヴェスプレームを準優勝に導いています。

このチャンピオンズリーグでは、ベスト4に残ったチームのうち、3チームの監督がスペイン人であったこともあり、スペイン人監督の手腕が世界的に注目されてきています。そんな中での、オルテガ氏の日本代表監督就任報道。

気になりますし、期待も膨らみます。